余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

ありのままに

2022-08-30 22:43:17 | 水声の詩
欺瞞と疑問が支配する
全てをよりかかれる
その夢は遥か彼方
瞳は色を見失い
君の汗は口に沁みて
君の樹液を口に入れて
順序良く抑制を触れていく
指先をこそばゆいほどの感覚で
森の影
透明なパンドラの箱の中身は
手の平をさ迷う
君の肌に浮かび上がる
緊張の表情
贈り物は魂の揺れる
星の秘密を耳元で
美の温もりにほだされて
絆は指きりげんまんした
崩壊は止められず
救いは涙に触れていた
燃え盛る美しさ
よりかかる一時の安らぎ
放浪は欺瞞を
疑問を変身させ
季節は雨を降らせ
渇望は叙事詩を奏でる
指をすべらせ
酸素を眠りに
永遠は眠る
習得の虜
緑の友は微笑んだ
ジャスミンはソアサンヌフを包む
鼓動は心臓乱舞を思い起こさせ
バランスは揺りかごで遊ぶ
この世の醜さは嫉妬の故に
焼かれる心は流れていく
忘却はあると知り
半身は檻
幻想の青の霧
捕われた性は物語
心の有りようではなく
神経を伝わる電気の精の痺れ
色褪せることのない
原色の混ざる物語
香る首筋の熱は
君の分身が体に触れる
通り抜ける
10月の小春は欠伸をし
5月の春が目をしばたく
この春を行き来しよう
コスモスとシロツメグサ
月と甘さの転がる声
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難題を

2022-08-23 00:06:27 | 綾取りの塔(短歌)
難題を
座り肘あて
思考する
静謐のよう
固まりながら
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木の陰に

2022-08-23 00:05:04 | レターの膜(短歌)
木の陰に
隠れているのは
無色のひと
眠れる美女の
ハンモック
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ポトスライムの舟

2022-08-22 23:46:17 | マイブック(た)
「ポトスライムの舟」
      津村記久子 著

ポトスライムは植物だ。
そして働くとはどういうことだろうか。
何と問われ何と答えるだろう。
お金を得るため、生活のため、生きるため。
とても不思議なのだ。
ここにしかない場所であり、
アイデンティティになりえて、
振り向けば、
ここ以外にも場所というものはあり得るはずなのに。
人と関わることへの楔なのか。
二篇とも労働を見詰めている。
見詰めながら、囚われている。
羽は自身を羽ばたかせるためにあるが、
また他者、あなたを包むためにもある。
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手の指と

2022-08-22 23:44:05 | 綾取りの塔(短歌)
手の指と
足の指を
同時に見て
そこに星座を
当てはめている
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