余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

道程

2022-02-08 22:20:29 | 十五の詩
今まで歩いてきた道程が
見るも無残に散らばっていく
色も臭いも記憶も
不思議に乱した髪は
不協和音をクレッシェンドする
演技していく細胞は
朽ち果ててはまた蘇り
受話器を持つか迷いだす
街灯は炎となり
鳴り止まない音楽は
写真のように切り取られていく

今まで何と繋がっていたのか
何とも繋がってはいなかったのか
愛する人すら呼吸すら
唇の音も瞳の演舞も
何もかもが無意味だった
身体全てと言っていい
発する叫び全てと言っていい
いつだっかた忘れてしまった
傷が熱く燃えて紅く染まる
赤い海を流れていく
引き戻されない光の海に焦がれて
ああ 風が呼んでいる

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