きりぎりす 2024-01-02 23:24:21 | マイブック(た) 「きりぎりす」 太宰治 著久しぶりに太宰を読んだ。短編集。太宰らしさの変わらない数々。人間失格を読んで太宰を好きになった。ああ、わたしがいると。生の苦しみ、自己の落伍、それでありながらも相反する焦がれる生。他者との尊い交歓。芸術を歩くものとして、小説を書くものとして、自身を見詰め続け、それは世界を見詰めるものとして。
くもをさがす 2024-01-02 23:12:52 | マイブック(な) 「くもをさがす」 西加奈子 著西加奈子が乳癌になり、その経過を綴った本。癌と向き合った日々。人とのつながりの中で、生と死を見詰める。その頃著者はカナダのバンクーバーに住み、コロナウイルスによるパンデミックも起こっている。切なる言葉の歩み。著書は四冊ほどしか読んでいないが、魂の叫びを、何か力強い咆哮のようなものを感じる。悲しみだけではない燦々と降りそそぐきらめきを。