「声出していこう」
朝倉かすみ 著
自分の声をきく。
自身で問い掛けを繰り返している。
だれでもが行うだろう。
この内なる声を、六章からなる六人の声。
繫がっている人物たち、繋がりは袖の先くらいでも、
確かにふれあっている。
自意識があふれだすのは当然のこと。
この声からの自意識からの突出から、
わたしとあなたを比べている。
やがて内から外へ声を出すことの一歩をだす。
抑圧よこんにちは
いつも一緒にいたね
さよならはできないから
暴走から始まる狂気のあとで
ぼくと眠りにつこう
祈りを遠く
安眠を祈り
寒さと
暑さを美しく愛する
それは大地と空を
遠ざけて
境目の崖に立つ