「マナーはいらない 小説の書きかた講座」
三浦しをん 著
たのしく、
書くこと、または描くこと、
または存在する芸術。
ふらふら、つらい、悩む、ぐるぐる、
それでも
考える、思考、思索、創造、
想像、共感、共有、うんぬん。
自身の言葉はやはり自身の言葉となり、
タイトルの言葉とルールを交えて、
飛ぶ鳥、疾走するもの。
分かり易く馴染んでいった。
マナーはテーブルに添えられている。
テーブルの上で踊っている。
夢への
入り口は好きな
ものから
飛び込み台とび
一回転で
いつだって
どんなときだって
声を反復する
どんな言葉も反復する
恥ずかしい言葉も
きどった言葉もおかまいなし
山彦
嬉しいときは嬉しく
悲しいときは悲しく
怒ったときは怒り
そしていつか気付くだろう
それは幻想の声だったことに
消えていく山彦は
言葉を持たない
あなたの安らぎと共に
静かな透明さを際立たせ
澄んだ息を捧げる
言葉が僕の目を潰す
記号だ羅列だと言った男
ある日僕に教えたのだ
鵜呑みにしない僕なのだが
それからという日
言葉が溢れ、膨れ上がり
押し潰そうとする
色の言葉、匂いの言葉、感情の言葉
花の言葉、空の言葉、風の言葉
等々
無意味につながっては
意味をなすようにつながり
無限大に胸の奥から湧き上がる
ましてや自身の存在すら危ぶまれる
言葉は反して支配されていく
無我の境地はどこへやら
大事にしていた言葉らは
意味を持ち合わせていたからこそ
保てたのだが
一つの言葉、言語はいつか見た
突起物のように増殖していく
思わずでた言葉は
あ
その日言葉は僕の目を潰す
年経るごとに連れ去られていくもの
数あれど
誰の中にも存在する
その匂いと温かみ
その柔らかさと含みの音
胎内で育まれた
リズムを帯びた羊水の
波うつゆりかごに揺られながら
安らぎの吐息を生んでいく
忘れてはいないよ
深い絆で繋がれた
いく手の泳ぎの無邪気
そっと抱かれているような
強く包まれているような
あなたの愛しすぎる優しさ
その優しさが核にある
憶えていなくとも
確かに僕はそこにいて
ある朝
肌から羊水の匂いがした