昭和4年4月の竣工だから、もはや80余年の歳月が流れた橋の跡である。
この橋の柱の根本に微かに確認できる黒ずみはもしかすると東京大空襲のときについたものだろうか。
電脳都市、秋葉原の片隅にあるその小さな思い出も、今はもう風前の灯だ。
水運が栄えていたという、この秋葉原の面影がまたひとつ消えていこうとしている。 . . . 本文を読む
お店はまるで鰻の寝床のようだった。 その最深部でボクらは飲み直した。 ビールが安い。生ビールが僅か300円である。しかもキリン一番搾り。すばらしい。 神田はビール激戦区でもある。 「味の笛」の生ビールが250円。それに追随することガード下。立ち飲み屋が多い街はビールも安い。 . . . 本文を読む
中華料理を除いて、日本で最も多いエスニック料理店はインド・ネパール料理ではないだろうか。
その数、この10年で急増した。そして、インド人の数も。
いや、インド人とは限らない。ネパーリィかもしれないし、パキスタンやスリランカ、或いはバングラデシュ人かもしれない。とにかく、アーリア系の人は急増した。
ボクはインド料理が好きだ。大好きだ。
久しぶりにインド料理を食べようと、街をぶ . . . 本文を読む
ようやく料理が出てきた頃、ボクらのジョッキはほぼ空だった。 だが、ここで負けてはならんとビールのおかわりをしなかった。これ以上、この店にお金を落とすことはないのだ。 その価値はないと思う。 「とんぺい焼き」を流し込むようにして、食べた後、ボクらは逃げるように店を出た。 まるでボクらは敗戦処理のピッチャーのようだった。 . . . 本文を読む