S社のY編集長の退社が決まり、送別会に呼ばれた。出向いてみると、部外者で呼ばれたのは自分だけだった。4年前、同社のI川ちゃんが辞めた時の送別会には印刷屋さんのDキ、フリーランスライターの人が呼ばれ、結構盛大だったが、今回は当事者のYちゃんとS社の2人、そして自分の計4人だった。
会場は 「福盈門 鶴見別館」。「ふくえいもん」と読むらしい。お店自体、まだ新しいのか、わりかしきれいなお店である。
自分は全く送別会をしてもらえなかったが、Yちゃんはしっかり送別会してもらえるから羨ましい。勤続20年。お疲れ様である。
コース料理の飲み放題メニュー。まずは生ビールで乾杯。最初のメニューからまず度肝を抜かれた。
「フライドポテト サルサソース」。
中華料理じゃないし。
Yちゃんとは一年だけ一緒に仕事をした。まだお互い20代の時である。その当時、会社は蒲田にあった。景気が悪く、いつも負け戦だった。その頃、ある人から誘いを受けて、自分は会社を変わった。その時、Yちゃんを含む同僚が蒲田で送別会を開いてくれたが、Yちゃんは自分が辞めることが嬉しそうだった。
あれから19年。自分も立場が変わったし、そしてYちゃんも。奇しくもYちゃんは数日前に50になったばかり。50歳は誰もがターニングポイントを迎えるらしい。
実はその後の料理のことはもう覚えていない。自分は「紹興酒」を頼み、予想に反してボトル一本が来ると、ガブガブとそれを飲み、ついつい気持ちよくなってしまったのだ。
自分がS社に入った時、社員は10人程度いた(役員除く)。そして一人減り二人減りするうち、蒲田に移転した時は社員が6人になった。その後も社員は減り続け、自分が退職する時は4人。そして今、Y編集長が辞めると、S社は社員が一人になってしまう。OBとしては寂しい限りである。
のっけから中華ではないものがきて驚かされたが、その後は本格的な中華が来て一安心。最後は「炒飯」で終了。最後に杏仁豆腐のデザートまで来た。
Y編集長も円満な退職となり、晴れ晴れとした表情をしている。実はこの10ヶ月足らず、彼の心は常に揺れ動いていた。それを今更ここで書くような野暮なことはしないが、とにかくこの状況はS社にとっても、彼にとっても良かったのではないかと思う。
そして20年前、様々な理由があるにせよ、会社を飛び出した自分を今また受け入れてくれるS社にも感謝したい。
鶴見区の公用で毎回店の前を歩きますが、昼は何だか入り難い店でして。
残った社員さん、1人だけになっちゃったんですか。
前から気になっていたお店でした。
「送別会は中華を予約しました」と聞いたとき、「もしや」と思ったのですが、実際そうだと分かったとき、ちょっと嬉しかったです。
入りにくさはあるかも。
ヤングサラリーマン4人組が、外から店内の様子をうかがっていました。入ろうかどうしようか、長い談義をした後、意を決して入ってきましたが。
社長と社員一人の会社になってしまいました。