メコン川を眼下に見下ろしながら、わたしはラッキーストライクからタバコの葉っぱを丁寧に取り除き、空になった巻紙に今度は指で細かくしたガンジャを詰めていった。
ガンジャからは、青臭い匂いがムっと鼻についた。そうやって、巻紙にガンジャがいっぱいになるとおもむろにわたしはそれをくわえ、火を付けた。
すると、すぐさまわたしは意識の中に吸いこまれるように感覚が溶けていった。
オレは、今旅をしている。
日本を出て、どれくらいの時間が経ったのだろう。
そもそも、オレが、この旅に出たきっかけはどういう理由だったか…。
それすらも、よく思い出せない。
そもそも、オレはどこへ行こうとしているのか。
でも、旅に出てきたきっかけなんて、忘れてしまうくらいなら、たいしたことでもなかったんだろう。
そして、これからわたしが向かっているところも、忘れるほどなら、たいした目的もないんだろう。
オレは今ここにいて、メコンの川面を眺めながら、ガンジャを吸っている。風が吹き抜け、空は青い。
それ以外に一体何の意味があるというのか。
洪水のような日々だったと思う。
仕事を辞める前から、今日に至る1年間は。
濁流に飲まれ、流されながら、辿りついたのがここだったように思う。
ここに来るまで、オレはひとつの決心があった。
たとえ、アジアの土に藻屑と消えようともそれはそれでいいのではないかと。
たとえ、アジアのペテン師に騙され、身ぐるみはがされてもそれはそれでオレの運命だったのだと。
オレが旅に出たきっかけなどもはやどうでもいいことだったし、今ではその理由もあまりにもちっぽけで笑い飛ばせるくらいになった。
だが、オレは一体これからどこへ向うのだろう。
そして、そこに辿りついた後、オレはどうなるのだろう。
満足するまで旅を続けるか。
それとも、その前にオレは異国の土地で藻屑と消えるか。
気がつけば、わたしはドミトリーのベッドに寝ていた。
辺りを振り返ると、オーストラリアのいつもニタついている男がいて、やはりわたしを見ている。
「何故、オレはここに」と彼に聞くと、彼は
「眠い、眠いと叫びながらベッドに入ったゼ」という。
ルアンパバンのガンジャは相当効いた。
悪い夢ではなかったが、楽しいものでもなかった。
でもバッドに入らなかっただけでも、よかったのかもしれない。
ガンジャからは、青臭い匂いがムっと鼻についた。そうやって、巻紙にガンジャがいっぱいになるとおもむろにわたしはそれをくわえ、火を付けた。
すると、すぐさまわたしは意識の中に吸いこまれるように感覚が溶けていった。
オレは、今旅をしている。
日本を出て、どれくらいの時間が経ったのだろう。
そもそも、オレが、この旅に出たきっかけはどういう理由だったか…。
それすらも、よく思い出せない。
そもそも、オレはどこへ行こうとしているのか。
でも、旅に出てきたきっかけなんて、忘れてしまうくらいなら、たいしたことでもなかったんだろう。
そして、これからわたしが向かっているところも、忘れるほどなら、たいした目的もないんだろう。
オレは今ここにいて、メコンの川面を眺めながら、ガンジャを吸っている。風が吹き抜け、空は青い。
それ以外に一体何の意味があるというのか。
洪水のような日々だったと思う。
仕事を辞める前から、今日に至る1年間は。
濁流に飲まれ、流されながら、辿りついたのがここだったように思う。
ここに来るまで、オレはひとつの決心があった。
たとえ、アジアの土に藻屑と消えようともそれはそれでいいのではないかと。
たとえ、アジアのペテン師に騙され、身ぐるみはがされてもそれはそれでオレの運命だったのだと。
オレが旅に出たきっかけなどもはやどうでもいいことだったし、今ではその理由もあまりにもちっぽけで笑い飛ばせるくらいになった。
だが、オレは一体これからどこへ向うのだろう。
そして、そこに辿りついた後、オレはどうなるのだろう。
満足するまで旅を続けるか。
それとも、その前にオレは異国の土地で藻屑と消えるか。
気がつけば、わたしはドミトリーのベッドに寝ていた。
辺りを振り返ると、オーストラリアのいつもニタついている男がいて、やはりわたしを見ている。
「何故、オレはここに」と彼に聞くと、彼は
「眠い、眠いと叫びながらベッドに入ったゼ」という。
ルアンパバンのガンジャは相当効いた。
悪い夢ではなかったが、楽しいものでもなかった。
でもバッドに入らなかっただけでも、よかったのかもしれない。
そして、とりとめもない思考の波に、漂いまくってんねえ。