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居酒屋さすらい 1674 - 古き良き時代の典型酒場 - 「酒蔵 かんちゃん」(新宿区西新宿)

2020-08-15 22:17:45 | 居酒屋さすらい ◆東京都内

久しぶりにH川さんから連絡が来た。10年前まで元上司だった彼と顔を会わすのは、今や年に一回あるかないかである。そのH川さんが、折行ってお願いがあるという。新宿で会わないかというのである。

新宿西口で待ち合わせをして合流。さてどこへ行こうかとなったが、思い出横丁はないな。真面目な話らしいし。雨が降っていたので、手っ取り早く、小田急ハルクの裏手を物色。「かんちゃん」に行き着いた。古い酒場である。古さは感じるが、どうにも古典酒場に昇華できなかったタイプの店ではないだろうか。この小田急ハルク裏に広がるエリアの酒場は古き栄光の時代を過ごし、その幻影を今も引きずっているような気がする。新宿副都心の企業戦士を相手にした良き時代の。

「かんちゃん」に入店した時から、「こりゃ失敗したな」と思ったが、もはや仕方ない。今夜は雨が降っているし、大事な話しを聞かなければならないから。

お店奥の小上がりに上がり、まずは生ビールから。ビールはスーパードライ。小上がりは薄暗く、古い居酒屋独特の香りがした。そして、インゲンのお通しもしっかりと漏れなくついてくる。

H川さんのお願いというのは、新たな就職先に提出するための書類に後見人として署名をしてほしいというものだった。身内とは別にもう1人、赤の他人が記入しなければならないらしい。しかし、確かに自分はかつての部下だが、今や会うのは一年に一度くらい。もっと身近な友人はいないのかなと思った。あ、だけど親しい人ほど頼みにくいのかなとも思うのだが、親しければ余計に不正はしないよう、注意を払うものである。この署名、連帯保証人とは違うが、当該人が故意や過失問わず、会社に損害を与えた場合、その賠償を後見人も負うというもの。これは独断では決められないから、一旦持ち帰ることにした。

「つくね」(420円)をオーダー。一本210円はまぁまぁの値段。

値付けは高くなければ安くもないといったあんばいである。ちなみに「酎ハイ」は350円だから、充分許容範囲である。

斜め横の小上がりでは大学生と思しき若者が声を張り上げていて、やけにうるさい。我々の席は少ししんみりとしていた。H川さんのかつての勤め先は、少し前から倒産の噂が立ち始めた。その話しはどうも噂ではなく、どうも真実のようだった。現にH川さんは7か月、無給で働いているらしい。もはや残された道は転職である。運良く、かつての会社の取引先から声をかけられて、円滑に話しが進んだようだ。

あぁ、いくら飲んでも酔えない。かつてともに働いた上司がそんな窮状にあるとは。

久しぶりに終電まで、深酒をした。会計は2人で1万円を超え、「自分が支払いますから」と言っても、彼は頑としてて受け取らなかった。しっかし、2人で1万円を超えるし払いって。もはや自分らは大衆ではなくのかもしれない。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (モノノフ)
2020-08-16 11:20:06
この手の居酒屋で二人で一万円越えとは、かなり飲み食いされたんですねぇ(^_^;)
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Unknown (熊猫)
2020-08-16 18:03:40
モノノフさん。

2人で1万円超えはちょっと凹みました。
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