まだまだ飲み足りない。何しろ、立ち飲み屋で「ホッピー」、一杯しか飲んでいないんだから。メトロに乗って自宅最寄りの駅へ。さて、どこに行こうか。「ホッピー」が途中モードだから、「ホッピーが飲める店がいいな。出来れば、〆の麺があればなおいい。ならば、久しぶりに「香港亭」かな。でも、東十条まで歩くのがかったるい。まてよ、もう一軒候補がある。神谷の「栄楽」。そういえばしばらく「永楽」に行ってない。ここは「永楽」に行くか。
住宅街の真ん中のある「栄楽」。月曜日の夜だから、空いてるだろうと予測して扉を開けたら、思いに反して混雑していた。席は唯一、カウンターの一番手前のみ。選択の余地はなく、そこに座った。
「ホッピー」白をオーダーした。シャリキンではない、焼酎と氷の0冷ホッピー。自分はやっぱこっちの方がいいや。
つまみは「餃子」で。
しかし、こんなに混んでる「栄楽」は初めてだった。カウンター、自分のお隣は一人客、そのお隣も一人だと思うのだが、背後の卓席の客と競馬の話題で盛り上がっている。その向こう側の客は男女混合の集団だったが比較的静かに飲んでいた。
「餃子」はやや脂でべたべたで、「光栄軒」のそれとは全く違っていた。自分のお隣は時折、煙草を吸った。まぁ仕方ない。そして、そのお隣は声がやたらと大きかった。どうも常連さんらしい。一通り、話しが済んだら前を向いて飲み始めた。すると今度はくだをまきはじめた。
「あの糞野郎、許せねーよ」と女性店員さんに話し始めた。相変わらず声が大きいからよく聞こえてくるのだが、どうも話しを総合すると、この客と糞野郎は、以前に口論したようだ。選挙の投票を巡って。この男はどうも選挙には投票に行かないと言ったらしい。すると糞野郎が嗜めたようである。
「選挙に行くも行かないも自由じゃねぇか」。「糞野郎のこと、どう思う?」
今度は女性店員にそう振った。いやいや、これって酷な話しじゃないか。お店側としてはどちらかの常連に肩入れできないし。けれど、目の前の客に否定的なことも言えない。すると自ずと糞野郎を否定するような体になってしまう。しかし、他のお客だっているわけで、そういう意見をお店がするのは気持ちのいいものではない。
いやいや、自分からすれば、あんたも充分糞野郎だよ。当人がいない酒の席で、まるで他の客に聞こえるように悪態をつき、自分の正当性を訴える。今日は何だかいゃあな常連さんばかりに会う日だなと思った。
そろそろ、〆にしようかなとメニューを見た。「炒飯」550円、「ラーメン」500円。さて、どっちにするか。以前、「炒飯」を頼んで、若干後悔したことがある。量が少ないのだ。ならば、50円安価な「ラーメン」でも頂くか。
この「ラーメン」が実にうまかった。さっぱりしたスープに朴訥な麺。まさに町中華の伝統的なラーメンである。今夜は何だかいろいろあったが、終わりよければ全てよし。ただ、ひとつ思ったのは、人の振り見て我が振り直せかしら。常連たるもの、むしろ謙虚でありたいな。
これってあの店ですか?
高崎の居酒屋ネタでもそうですが「その時にいるお客の質で、店の印象は大きく左右する」なんですよね。
店名、勘違いしていました。
「栄楽」で、ジャンさんが今朝アップされたお店と同じです。
>「その時にいるお客の質で、店の印象は大きく左右する」
おっしゃるとおりで、恐らく雰囲気なんだと思います。店主の人柄、地域性でお店のお客さんは変わってきますね。
北区に引っ越してきて驚いたことがあります。結構、ここら辺の方は排他的なんですよ。挨拶しても挨拶を返さないというのがしょっちゅうでした。商店街の古い店に多いです。