電脳と二次元とメイドの街に似つかわしくない玄関格子。欄間のようにも見える看板には、達筆に店名を浮かび上がらせている。
蕎麦 冷麦 嵯峨谷。
ただ者ではない雰囲気は一目瞭然。むしろ近寄りがたい存在を漂わせる。
だが、この店、今東京を席巻する蕎麦のニューカマー。なにしろ、「もりそば」が320円。なんたって、他の立ち蕎麦屋より、断然安価だ。しかも十割、しかもしかも店内石臼挽。一体全体本当にこの価格で合うものか。おもいっきり懐疑的。
店内はなんちゃってだが一応、土壁に三和土。和のテイストが全面に。堅木のカウンターがまた蕎麦食いの雰囲気を盛り上げる。
券売機で食券を購入。出てきた十割そばは平打ち麺のやや太め。蕎麦の色はさすが石臼挽き、ほぼ白い。
問題はそばつゆだが、これが抜群だった。まろみがあり、かえしに時間をかけているのが分かる。「小諸そば」のそばつゆは甘口、「富士そば」は尖っているが、「嵯峨谷」はその両方の中間に位置し、差別化を図っているようだ。ただし、それが十割の蕎麦にバチっとハマっている。それがなんともいえないのだ。
立ち蕎麦界のニューカマーは、あらゆる意味で革命を起こしたと思う。
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