「マンガで読む14歳のための現代物理学と般若心経」
(佐治 晴夫著 春秋社 2021/10/31 P.245)
横田南陵花園大学総長の公開講座「禅とこころ 般若心経に学ぶ」の講義で紹介されていましたので、図書館で借りました。
筆者は東京大学物性研究所、松下電器東京研究所などを経て、現在、大阪音楽大学客員教授、北海道・美宙(MISORA)天文台台長などの要職に就く。量子論的無からの宇宙創生に関わる「ゆらぎ」の理論研究の第一人者。1977年NASAのボイジャー計画でバッハの曲をゴールデンレコードに収録する提案を行っています。
6時間の授業として説いています。
キーワード、キーポイント
1時限目
夜はなぜくらいのか
2時限目
相対性理論
宇宙は膨張している
宇宙の中心はあなたであり、宇宙の端はまたあなたでもある
3時限目
宇宙の始まりを解く量子力学と相対性理論
不確定性原理
虚数時間から実数時間の世界へ
4時限目
般若心経は難解なお経ではないのです
色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 受想行識 亦復如是
生きているとは考えることである
科学と宗教
「現代科学に欠けているものを埋め合わせてくれる宗教があるとすれば、それは仏教である」アインシュタイン
5時限目
是諸法空相
ブッダの認識論
6時限目
真言、マントラの効果
最近の脳科学の研究でもサンスクリット語で、真言をとなえることで、脳の一部に変化が起こり、活性化されていることが、MRI診断などで報告されている
昔から般若心経は意味を知らないでも般若心経を唱えるだけで効果があるといわれている
真言はサンスクリット語で唱えられるため、これらの効果はサンスクリット効果と呼ばれている。
補講
星のかけらとしての私たち
「現代物理学と仏教」、「14歳」、「マンガ」というタイトルに魅力を感じました。
なるほどと感じるところがありました。
この本を読んでいた3月15日、糸井重里さんのブログに『13歳からの地政学』の本の紹介がありました。
ちょうど私が考えていたこととぴったりでしたので、引用します。
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・「ほぼ日」にも何度か登場してくださっている田中孝幸さんの『13歳からの地政学』が売れている。発売からもう1年経ったけれど、まだずっと読まれている。1年前とはウクライナでの侵攻がはじまった時期だ。
「地政学」ということばは聞いたことがあっても、どこを入り口に、なにを知ったらいいのか、多くの人はわからないままだったと思う。そういうぼくもそのひとりだった。ところが、ロシアが侵攻したことで、ぼくらの「いつか知りたいこと」が「いま知りたいこと」になった。13歳からのというタイトルだけれど、この本が、ぼくの「地政学」の入門になったし、基礎知識になった。
本を検索するときに「13歳」と入力すると、とてもたくさんの本が紹介される。
これは、13歳あたりの人たちに読んでほしいもの、という形式で書かれているのだけれど、実際には「(13歳)からの」大人が買っていると思う。
13歳の学力で理解できるように書かれたものなら、それは大人でも手を出しやすいし読みやすいからだ。これが、いまの時代の知識の伝わり方なのだろう。
同じように、「マンガ」というかたちでさまざまなテーマを表現するものもとても多い。マンガにすれば、多くの人たちが読んでくれる。
「13歳から」だとか「マンガ」だとか、
日本の人たちの知的水準が低下したのではないか、と、もしかしたら怒っている人もいるかもしれない。
「13歳」や「マンガ」のいいものは、何十倍もいいよね。
3/15 糸井重里 ほぼ日
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