小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

種村季弘の眼差しに酔う

2014年10月13日 | 日記
 好天気とはいえないまでも、穏やかな日曜日。
板橋区立美術館で行われている「種村季弘の眼 迷宮の美術家たち」に行った。
 
 逝去して10年たっても、日本におけるマニエリスムブームを主導した博覧強記の文学者かつドイツ文化圏の美術批評家としての位置は今も揺るぎない。
このブログで種村季弘を論うのは私には荷が重い。だから、この美術展の概要だけを書くことにする。


 自治体の美術館ではもっとも古いとのことだが、見せ方・工夫がよく練られてい、限られた空間をさながら「種村ラビリンス」としてみごと提示した。
板橋区立美術館を訪れたのは初めてである。が、都心にあって名前だけが先行する美術館よりランクは上かもしれない。
 柿沼裕朋という方の監修であるが、まさに種村季弘の眼差しを通して、異才・反骨の芸術家たちを鑑賞でき、心うち震え常態感覚も麻痺するべく体験をした。
彼の鑑識眼なり審美眼を通した芸術作品は、内外を問わず現代の極北ともいうべきアートワークであることは間違いない。
特に、マックス・クリンガーには脳天チョップ的啓示をうけた。帰ってから確認したが、ホッケの「迷宮としての世界」、「絶望と確信」でも触れられていない。

 マックス・クリンガー(1857-1920)ドイツの画家、版画家、彫刻家。独特の幻想的な作風で知られ、シュルレアリスムの先駆者

ホルスト・ヤンセンにもやられた。まさに迷宮の美術家たちは、古今東西跳梁跋扈しているのだ。怪人タネムラは鬼籍に入ってもマニエリスム世界で暗躍しているといっていいだろう。

>美術館のファサード。誰の作品であるか失念した。
 
 板橋区立美術館は都営三田線の終点「西高島平駅」から徒歩15分のところ。いわば東京の端っこであるせいか、妙な具合に自然と人工物が共存している。

なんでここに? というところに沖縄の縄祭りをモチーフにしたオブジェがあった。その傍らには大樹がならび大きなどんぐりを落としている。
 
 かつて区のボランティアで「どんぐりストラップづくり」を指導したこともある故、しばしどんぐり拾いに熱中してしまった。

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