小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

シモーヌのパパに逢う

2014年10月23日 | 日記
 20日の月曜日。近くの行けつけのブックカフェ。ブーサンゴ(Bousingot)で初ライブをやるというので見に行った。
シモーン・ホワイトというアメリカ人の女性シンガーのソロ・コンサート。
ギターの弾き語りと、澄んだ声の繊細な歌い方が印象的な、いい意味で日本人好みだろう。
「焼き芋~焼き芋~、おいしい~やきいも~」の誰もが知っているフレーズの曲「YAKIIMO」は、日本でも知る人ぞ知るとのこと。
 
彼女のルックスがどこかしらブリジット・フォンテーヌに似ていて、知的で繊細な感じの外国人女性(特にフランス)はわたしの憧れなのだ。
日本語では「シモーン」と表記されるが、わたしの頭のなかは「シモーヌ」である。


その日のライブは、旅行中の彼女のご両親がたまたまお見えになり、会場がとてもアットホームないい雰囲気になった。
 
シモーヌのライブの様子はまた別の機会に書くことにして、彼女の父君について少し書き記したい。
その日わたしは了解をえて一眼デジカメでビデオ撮影していた。その私の隣にシモーヌの父、スチーブン・ホワイトが座っていた。
休憩のときと、ライブが終わった時に、拙い英語を使っていろいろ話した。
最初は、お互いの年齢。二人ともこの場には不釣り合いの高年齢。
彼の方から聞いてきた。「いくつに見えますか」
ベビーブーマ世代と思いきや75歳だという。

 それからここのブックカフェの話。すこしの文学の話題。
「じつは、俳句をすこし嗜みます」
「ヨーロッパでは特に盛んだと聞いてますが」
「私たちはオレゴンに住んでいるのですが、自然にあふれたところなのでね」
「日本には何度かいらっしゃっているのですか」
「いや、初めてです。ハワイに何年か住んだことがあります」
このように書くと、すらすら会話しているようだが、実際はしどろもどろ、冷や汗じっとりである。
彼の理想は、シェイクスピアのソネットのようなものらしいが、私は読んだことがないので頭が真っ白になった。

 ライブ終了後、彼から名刺カードをもらった。アーティスト的な仕事をしていると理解したが、75歳という御年であり、なかば趣味的なものと早合点していた。
そのカードにも不思議なフォルムのイラストが印刷されていて、それが何であるかなど突っ込んだ話はできなかった。
いまになって悔み、たいへん反省している。
 やはり英語は話せないと駄目なのか。日頃、グローバリズムを批判し、その権化ともいえる英語だ。外国に旅しても、英語は必需品みたいなもの。
 積極的に学ぶべきか、意思疎通ていどで諦めるか。どう折り合いをつけるか、自分でも決着がつかない。

 もとい。スチーブン・ホワイトのカードから、彼の作品群を紐解くことができた。






 イサム・ノグチの流れを汲んでいるのだろうか、彼の「Light Sculpture」はまさしくアートである。
 かれが書いてくれた自作の俳句を、そのとき私は読み込めていなかったのだ。
 一期一会の大切さを、今さらながら思っても仕方ないことか。

 彼の作品はここから。
 culturesource.net/stephenwhite
 corriecroft.com/luminessence
     

彼が書いてくれた俳句。シンプルな言葉で、彼のアートワークの深みと合わせて鑑賞したい。

You are born a moon
In your time you will become
A bright shinning star

 光の彫刻をあの時もっと、この糞頭でイメージできていたら!



 ※彼はスチーブンではなく、シモーヌのパパ・ステファンである。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2014-10-27 16:13:15
谷中にこのようなブックカフェがあるなんて全然 気が付きませんでした。谷中は、近年、本当にインターナショナルな場所になったのですね !(◎_◎;) 『 英語 』と言っても英語圏以外では、『 国際語 』!! 英語圏でも国が違ったり、地方都市へ行って、【 お国訛り 】で喋られると、何を言われているのか、わかりません ( ? _ ? ) 【 コトバ 】だから... 。でも、【 アート 】を通してなら、英語に限らず何語であっても【 ハート 】で通じ合えると思います。私は、どこの国でも魅力的なアーティストとお話出来るチャンスがあれば、積極的に話しかける事にしています W(`0`)W また、素敵なところがあれば、どんどん紹介してください!! 楽しみにしております (*^_^*)
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Unknown (フジ)
2014-10-28 14:07:50
ありがとうございます。海の向こうの方との一期一会もいいものですね。
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