昨日、『小寄道』の愛読者ともいうべきマドモアゼルK子がわが家に来訪。英語圏の人文科学に造詣のふかいK子女史は、まずスペイン無敵艦隊がイングランドによって壊滅させられた或る文書をしめされた。その歴史的背景を述べられるのかと思いきや、イギリス王室の破天荒な血筋と跡目相続のスキャンダルな権力争いに話が及んだ。
マドモアゼルK子は怖ろしく頭の回転がはやい方で、ぼんくらの私にはきちんと理解できないのだが、要するにカズオ・イシグロはそうした英国王室の複雑な歴史をふまえつつ、かつ上流階級の執事の物語『日の名残り』をどうして書けたのか、ということに疑問に思っているご様子なのであった。イギリスという国はとんでもない階級社会で、それぞれの階級によって話す言葉、話し方、発音も相当に違うらしい。
ほぼネイティブの英語を話すとはいえ、日系のカズオ・イシグロがノーベル文学賞をとった。マドモアゼルK子はまず『日の名残り』を原書で読みはじめ、女史のご母堂もまた『私を離さないで』を読んだという。とにもかくにもイシグロがイングランドで作家となり、ノーベル賞をとるなんて想像を絶するということだった。
ついでに書けば、お母様は私のブログから竹下節子氏を知り、いまでは『キリスト教は「宗教」ではない』をお読みになっているという。
マドモアゼルK子女史とのやりとりを書くと長くなるのでこの辺にしよう。ともかくお二人はロンドンとハワイと熱海、そして谷中を起点に神出鬼没の生活をおくっていらっしゃる。日英あるいは日米の比較文化史の話においては実践的体験から面白い話が次々と飛び出てくる。
そのお二人から近所のよしみとはいえ、懇意にしてくださり、なんとクリスマス・プレゼントまでいただいた。スペイン無敵艦隊壊滅とイングランドの王室の関係について、ブログに書いて欲しいとの要望をうけたが、私としては映画『エリザベス』を見てからイギリスの海賊史に関心をもったことがある。いつか書いてみたいと返事すると、にこっと笑って風のように去って行った。
▲イギリス王室御用達の塩、アールグレイの紅茶、そして熱海のフクロウのおみやげをいただく。ありがとうございます。
それと、自分が興味があるから... といって、スペイン無敵艦隊破滅とイングランド王室の関係について小寄道様にブログを書いてと要望するのは、✖️ ですね。 やっぱり、自分自身で書かないと... 。自分の考えが読者に そのまま[ ストレートに ]伝わらないと思います。
ついでながら、マドモアゼル K 子からのクリスマス プレゼント... 、写真が載っていますが、
彼女は、アールグレイ[ 紅茶 ]ではなく、イングリッシュ ブレックファーストを持って行ったんだと思いますよ! アールグレイは、かおりが良くて美味しいけど、食事の際に飲む場合、または、ミルクティーにして違和感ないのは、イングリッシュ ブレックファーストの方だ...と
マドモアゼル K 子は、そう考えて その紅茶を選んだんだと思います。私もそう感じているから... (*^o^*)
マドモアゼル K子さんのことをご存じのように、彼女のお気持ちを理解なさっていますね。素晴らしい!
ところで、 K子さんからいただいた紅茶は、まさしくEngrishBreakfastでした。写真でもちゃんと書いてありましたね。最近のわたしの頭は老化というより、石化したようにカチカチになっているんです。つまり、間違ったことでも思い込んだら、ずーっとそのことを思いこむのです。K子さんはあのとき、アールグレイの話もされてました。そっちの印象の方が強く、でいただいた紅茶もそうだと、この石頭に定着したみたいです。
以前、妻からこの石頭が損傷があるのでは、と疑われてMRIの検査を受けたことがあるくらいです。
マドモアゼル K子さんに失礼のことをしてしまいました。ここで深くお詫び申し上げたいです。
ですから、原さん、K子さんは決して融通のきかない方ではありませんから。そこん所よろしくお願いします。 {^|^}
今年、89 歳になるマドモアゼル K 子の母は、な なんと小寄道様から知った竹下節子氏の『 キリスト教は「 宗教 」ではない 』を年末から好きなテレビ番組も見ずに、「 難しい本だね... 。」と言いながら、お正月も朝から深夜まで夢中で読んでいるそうですよ。そして、彼女の母は、その本で わからない事が書かれてあると、インターネットで検索している、とか... 。 K 子も「 母が、こんなに勉強家だったとは... !(◎_◎;) 」と驚いているようです。
ある時、資源ごみを出されていた時に、カザミヤンの『英国史』を出されていて、他にもあったかな・・。
とにかく、好奇心旺盛な方だと思います。
いろいろなことを知っていると、妻も言っていました。たぶん、「ふき」の美味しさとか、成長する時の植物的な特長について土地柄と関連させて、お話をしてくれたそうです。もう、妻は寝ていて確認できませんが、私がそのことを何故か記憶していています。
ということで、キリスト教の摩訶不思議なことに興味をもたれるのは、K子さまのお母さまでしたら至極当然ですし、私が憧れるSekkoさまも喜ばれていると存じます。
とまあれ、原さま。
年明けから、浮き浮きする心持がいたしました。有難う存じます。
私は、予てからヨーロッパとは縁があり、いろいろな国のたくさんの教会を訪れましたが、その本を読み、カトリックとプロテスタントの違いについて、あらためて実感しました。
他にも、小寄道さまのブログのお陰で、誠に有難く感謝している事があります。それは、カズオ イシグロ 著の『 忘れられた巨人 』の中で、わからなく謎だった部分が解読出来たのです!このような歳になって、小寄道さまのブログに掲載されている書籍に出会えて本当に嬉しく、若返りそうな気がします。ありがとうございました。
『 キリスト教は「 宗教 」ではない 』をお読みになったんですね。その他、遠藤やイシグロなど次々と読書にお励みになっているご様子。素晴らしい!
どんどん頭脳が刺激されて、若返られること必至。難しい本、想像力をかきたてられる小説、そして、時に池上彰のような入門書も読んでみる。いつも同じ系統のものじゃなくて、硬軟とり合わせて読書を愉しむなんて凄いですよ。
こんど、読書会というか、本についてお喋りするのもいいですね。美味しい紅茶をご用意いたします。M.K子さんもご同伴でいかがでしょうか。
竹下節子さんのトリオのバロック音楽をききながら、たまにはヨーロッパ文化を語ってみるなんてどうでしょう? 下町文化にどっぷりつかった我々には、ちと背伸びし過ぎかしれませんが・・。まあ、年に1度くらいは、粋なはからいでしょ。では、また。