小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

レーダー照射は、ガン飛ばしか

2019年01月23日 | エッセイ・コラム

今回の韓国海軍による火器管制レーダー波の照射がいかなる意味と問題を孕んでいたのか・・。

門外漢なる愚生がこの手の記事を書くことは憚れるも、ある程度の事実関係が明るみになり、その背景と必然性が分ってきたので、自分流に纏めておきたい。

今日の新聞で、防衛省はこの問題の最終見解なる全文を公表した。

これまで「火器管制レーダー波」について熟知するものは専門家だけだろうし、これを照射すると如何なる問題が波及するのか、もちろん素人が知ったところでどうなるものでもない。

とはいえ、ナショナリズムを掻き立てる一連の報道と、日韓政府間に生じた喫緊の課題、その行末、このことも同じく一般の人々には与(あずか)り知らぬことなのだが・・。

防衛省の文書を読んで分かったこと、確かなことは以下のことだ。

火器管制レーダーは、ミサイルや砲弾を命中させるため、しかるべき目標にレーダー波を継続的に照射して位置や速度などを正確につかむために用いられる。つまり、敵だと認定してはじめて、攻撃モードにセット・発動する。照射された方はそれを感知し、攻撃対象としてロックオンされた状態を知る。(実戦だったらパニックになるのか?)

素人はふつうレーダーというと、円形のアンテナが回転しているのを思いえがく。これは捜索レーダーといって、目標を捜索・発見するためのもので、火器管制レーダーとはまったく異質のもの。通常、攻撃モードでなくとも、安全に航行するうえで使用するだろう(夜間に流氷等が接近している場合を想定)。

火器管制あるいは捜索レーダーの波形は、データ(周波数etc.)に明確な違いがあるから(?)、レーダー波を解析すれば種類や発信源の特定が可能だという。今回の照射されたレーダー波は、火器管制レーダー特有の性質を示していた。

韓国はこの事実を認識していた、たぶん。日本は、国際政治の道義上であえて抗議・公けにした。それ以降、日韓両国で自国の立場から応酬しあい、レーダー使用の事実認否で齟齬を生じる顛末となった。韓国は、自国軍の主張を裏づける映像・エビデンスを公表したものの、その根拠が軟弱であることはアメリカ海軍も認知したらしい。これは、韓国海軍そのものが、国際的な法感覚を未整備であることを示す結果となったが、真実を知る手立ては私たちにはない。


さて、火器管制レーダー照射事件は過去にあった。そのときは韓国ではなく中国だった。

2013年、中国海軍が海自護衛艦へ火器管制レーダー波を照射した。南沙諸島をめぐりフィリピン、ベトナム、台湾などに対して、中国海軍の恣意的な軍事行動が国際問題になった頃だったか・・。愚生はこれらについて関心は薄く記憶にもない。

いずれにしても、中国海軍をけん制するというか、いかなる一触即発の戦争をも避けるために、各国が協調して「西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)」という多国間枠組みが急きょまとめられた。それが西太平洋の21か国の海軍参謀長がサインし、CUES(キューズ=洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準)という信号書(ルールブック)である。それが2014年のことであり、もちろん日韓ともに参加している。

条約のような法的拘束力はないものの「海軍士官の絶対に行ってはならないこと」をまとめた紳士協定ともいえる。通常、火器管制レーダーの照射を絶対にしてはならない。時に洋上で不慮の遭遇をした場合には、前述したCUESに基づく信号の交信により事なきをえることができるし、それが本来の目的だ。

 

韓国軍は、遭難した北朝鮮の船籍を救助している、あるいはその任務を終了したときに、自衛隊哨戒機の飛影をみとめた。そのとき韓国駆逐艦から、何をおもったのか、火器管制レーダー波が照射された。駆逐艦の艦長はたぶん、21か国の海軍が参画したCUESについて、しかるべき知識と行動規範を弁えていなかったのかもしれない。

(ここからが愚生の想像である)いや、艦長は承知しつつも、内心「チッ」と感情的な怒りを覚え、攻撃モードとしてのレーダーを「挨拶がわり」に使った・・。日本でヤンキーと言われる粗野な人々の間で交わされる、喧嘩の申込みのシグナルと見做される。あるいはTPO的には、親愛の情を暗に匂わす「きゃつら」の心優しきサインである。(分って頂けたら幸いである)

これを「ガン飛ばし」という。ときに顔全体をつかって「メンチを切る」という変顔をすることもある。愚生が幼いころ、最寄りの駅の反対側に在日の人々が多く住んでいて、小生より上の世代のやや粗暴の人たちが「ガンを飛ばされた」とか、「あいつがいきなりメンチを切ってきたぜ」とか言っていた。下町の風習の、ある種の儀礼のようなものだった。(詳しくは知らない、一端を知るのみである)

 

日本の教育者、母親たち、山の手の礼儀正しいご子息たちは、下町のこれらの粗暴さを忌嫌い、マスコミに訴えて絶滅させようと画策。功を奏したのか、粗野な挨拶はなくなり、今では失礼かつ野卑な言動をするものは、結果的に排除されてきた。(そのプロセスとか理由はここでは書かない)。

海上自衛隊と韓国海軍の実務者が直接対話すれば、すぐに解決する問題だった。

しかし、我が自衛隊はあまりにも紳士的メンタリティにあふれ、洋上の「ガン飛ばし」にうろたえた。いや、恐怖を感じたと言っていいだろう。韓国の彼らを懲らしめてやりたい、と思ったのかのどうか、それは彼らしか知らないことだ。

今回はある事実が判明した時点から、自分なりの懐古と想像力で読み解いたものである。他意はない、そこんところ夜露死苦。(添付する画像もないし、今後気に入らなくなったら、本記事は削除するかもしれない)

 

 

 



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