小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

小出裕章氏登場

2011年05月03日 | 社会・経済

 小出裕章氏本人が遂にビデオニュースの画面に登場した。それまで電話を通じてではあるが、福島原発事故の現状分析と直近の予測を適確に語ってくれた。現時点でのリスク範囲、つまり最悪の想定を、私のような素人にも納得できるように噛み砕いて解説してくれた。話の整合性、科学的な裏づけは十分に納得でき、小出氏の語り口は丁寧でぶれがない。現場にいないにも関わらず、彼の「想定の範囲」は日本で最も信頼にたるものだった。今後も耳を傾けざるをえない。

 実は先週の29日に、私は小出裕章&広瀬隆などの講演会「終焉に向かう原子力」に行ったのだ。しかし主催者の不手際で入場できなかった。時間前に着いたにも関わらず明大の会場が変更になっていて、移動すると何百人もの人びとが列をなしている。会場を急遽変更してもキャパを超えているらしく、たぶんあぶれるだろうと周囲の人は不満をぶちまけている。同じような関心をもちわざわざ足を運ぶ人がこんなに多いのだと驚いた。私は「原子炉時限爆弾」を読んでいるし、毎週ビデオニュースを見ている。しょうがないかと潔くあきらめ、神田の古本街に行くことにした。
 ともあれ、ビデオニュースで小出氏の話が聞けた。私がいちばん聞きたかったこと、なぜ彼が原発に反対なのか、なぜ助教(助手)のままでいるのかが分かった。今回は無料放送だから誰でも見ることができるので詳しくは書かないが、彼のようなほんものの科学者がいることは日本人にとって僥倖である。

 今回のビデオニュースは神保哲夫と宮台慎二がわざわざ京大に行って取材したものだった。小出氏が東京に来ているのだからスタジオでの放送もあるかもしれない。楽しみだ。小出氏はわたしよりひとつ年上で上野の生まれ。ということは、ほぼ同じ生活環境だったことになる。その彼が京都大学とはいえ最低の職階のまま37年間いたこと。その間誰からも命令されなかったし、誰にも命令したことはなかったから気楽だったという話・・。小出氏へのリスペクトはますます深まった。彼は初志を貫き学内に留まったが、同僚がアカデミズムからでてとび職になって、今も反原発の担い手になっているとのこと。70年安保はあったが、80年、90年だって、いや2010年だって安保は継続しているのだ。話題が変わるからやめよう。

http://www.videonews.com/marugeki-talk/524/ 

 

(追記:2014/9/18: ビデオニュースから。当時これを貼りつける発想がなかった。もし、この記事を読んだ方は是非とも見て頂きたい)

 最後に、武田邦男氏のブログも今回の原発人災事故でほんとうに参考になっていることを記す。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。