小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

一箱古本市でずっこけ

2008年04月28日 | エッセイ・コラム

 地元のイベント「一箱古本市」に初めて参加した。若い人たちとの交流、本好きな人たちとのやりとり。まことに楽しかった。

とはいうもの反省点は大いにあり。本のディスプレーでは工夫がなく、ただ段ボールに詰めただけ。常連である店の多くは、段ボール一箱で2段、3段と棚を作り、本を多く綺麗に見せる仕掛けをするなど、ディスプレーでしのぎを削る。こちらは地の利を生かして多くの本を持ち込むつもりでいたのだが、4分の一ほども紹介できなかった。

(売れすぎて困ると思い在庫を大量に準備し、自宅で妻を待機させていた。当てがはずれ、妻に冷笑された)

売りのポイントであった「シュルレアリスムと画家叢書」は手元に置いたまま陳列さえできなかったのは残念。もっともこれはネットで調べたら、驚くほどの高価本になっていて、それより低い値段設定をしたのだが、売れなくて良かったかもしれない。これを機会に、本の値段を「日本の古本屋」、アマゾンで検索した。驚いたのはジョン・ファウルズの「ダニエル・マーチン」。上下巻で3万以上もするらしく、怖くなって売るのを控えた。「メカスの映画日記」は1万近いし、マンディアルグの「満潮」も結構な金額だった。面白かったのはP.バラカン「魂のゆくえ」という文庫が2000円もした。陳列はしたのだが、通が多かったらしく、値段はネットの5~6割ほどに設定したが、「本が美麗でない」などと言われ敬遠された。

もし、来年参加できるなら、戦略を練ろう。今回は品だしが総花的で特長がなく、なんといっても準備不足だった。POPを書くぐらいの余裕と思い入れを込めないと駄目なことを痛感。

ともあれ、記念に売れた本の書名と値段を書いておく。

「生半可な学者」300、「愛の見切り発車」200、「下流社会」200、「きみが住む星」300、「遥かなるケンブリッジ」100、「子供は判ってくれない」200、「私の身体は頭がいい」200、「ルドン」700、「間の本」600、「日本人は思想したか」200、「三界交遊録」300、「読書癖2」1000、「1984」500、「エリック・サティ」1500、「本に読まれて」200、「コルシア書店の仲間たち」400、「異端教祖株式会社」300、「一万一千本の鞭」300、「のんぶらり島」700、「夢の引用」700、「大雪のニューヨークを歩くには」800、「真夜中の子供たち」1000、「物が私語するとき」600、「夢先案内猫」600、「エレメント・オブ・クライム」300、「幻想の彼方へ」200、「上司は思いつきでものを言う」100、「笑う住宅」400、「日本人と日本病について」100、「阿呆旅行」200、「ル・クレジオは語る」800、「継母礼賛」100、「俳句という遊び」200、「フェルマーの最終定理」200  以上

(売れた本の冊数、金額は、全体の平均とほとんど一致したことが、打ち上げ式で判明)

 来年やるとしたら「江戸時代、下町情緒」か「歴史・社会科学」のテーマでやろう。

最近は、江戸時代のものや落語、歌舞伎関係の本は読まなくなって、売ってもいいかなと思っている。これもネットで調べたらどうなることやら。

まあこれも取らぬ狸の皮算用。またずっこけるかも知れないなあ。

一箱古本市は本を売ることが主眼ではないし、楽しく本と接することだ。

そして本好きな人との交流がいいのだ。「エレメント・オブ・クライム」を手にした学生風の若者が「これ、ラース・フォン・トリアーだ。いまうつ病らしいですね」と、教えてくれたりした

古書ほうろうのメンバーのお一人には売れた本の中でもっとも高額の本を、よく行く古本カフェのご主人には2冊も買っていただいた。後で分かったのだが著名な書評家にも買っていただいたらしい。5月3日は、今度は買う側にまわる。大いに楽しみ、勉強しようとおもう。


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