小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

古本市その後

2008年05月04日 | 日記

 売り手から、買う側へ。あいにく雨がぱらつくなか、勇躍でかける。

湿気は本の天敵ともいえ、売り主の皆さんにはお気の毒と思ったが、建物の中に避難したり、軒先でうまくビニールで段ボールを保護するなど、大事には至らなかったようである。

さて、ひととおり会場に行ったのだが、千駄木の映画保存協会は初めてであった。

 ときたま通る道の小さな公園の奥まったところに、それはあった。昭和初期の面影を残す蔵をそのまま利用した建物で、老朽化しているとはいえ実に趣のある雰囲気をだしている。年に何回か映写会があるようだが、私はその存在すら知らなかった。蔵の中で薄暗く、本を物色するのは難儀だが、なにか秘密の何かを探り当てるような妙な高揚感がある。機会があれば、私もぜひこの建物でやりたいと思った。ここには喫茶部もあって、ジュースをいただく。

 そのほか旧安田邸、根津教会は雑誌で見たりしていたが、中に入るのは初めてで、古本を漁るというより、建物を探訪する心地のする半日であった。

 この日買った本を記念に記す。

「ユージン・スミス写真集」・7500(これは1万の値が付いていたが、妻の交渉と売主さんのご好意の賜物である。感謝)。「生意気ざかり」(立川談志)500 「読書術」(エミール・ファゲ)200 「けものたち・死者の時」(ピエール・ガスカール)200 「小説論」(金井美恵子)200「蝉時雨のやむ頃」(吉田秋生) 100「恐るべき子供たち」(萩尾望都)100


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。