小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

三ノ輪辺りへ、自転車駆って

2018年10月24日 | まち歩き

身辺の雑事に追われ、ブログ更新をさぼっていた。書くネタはあれど、文章として仕上げられない。主題設定が散漫なのか、論理の展開が甘いのか、途中でなにやら気力が失墜する。そんなときは休むにかぎる。

雨がやんで朝からお天道様が顔を出した。今日は雑用もなく、すこし体を動かして秋の風を感じてみたい、と殊勝な心もちになった。で、久々に自転車に乗ってみようと、ぺちゃんこになったタイヤに空気を詰めるうちに、なぜか気持ちが浮き浮きとしてきた。ほんとに単純にできている。

言問通りから入谷にでて、三ノ輪方面に向けて二輪シボレー(安物)を走らせる。

竜泉あたりで迷い、千束稲荷神社に出くわした。樋口一葉の『たけくらべ』にも出てくると案内版に書かれているも、境内はせまくお社もこじんまりとしている。浅草寺境内にも千束稲荷があり上社で、竜泉の方は下社であるらしい。

 ▲周囲が大きなマンションに囲まれている。かつては広い敷地だったのかもしれない。

「八月廿日は千束神社のまつりとて、山車屋台に町々の見得をはりて土手をのぼりて廓内(なか)までも入込まんづ勢ひ、若者が気組み思ひやるべし、聞きかぢりに子供とて油断のなりがたきこのあたりのなれば、そろひの浴衣は言はでものこと、銘々に申合せて生意気のありたけ、聞かば肝もつぶれぬべし・・・」と、延々と続くのは江戸戯作を二十歳そこそこの一葉が自家薬籠中のものとしていたからだ。

 ▲一葉はこの地には一年も住まなかったはず。『たけくらべ』や日記にでてくるので名所になった・・。近くには一葉記念館もある。

 

目的のひとつは、都電荒川線の終点三ノ輪駅界隈の下町風情をみること。大正時代からその賑わいで知られる商店街がいかなるものか、目の当たりにしたかったのだ。しかし、火曜・水曜は定休日であった。生来の粗忽は、死ななきゃ直りませんね。

 ▲アーケードを端から端まで歩くと15分はかかる。全体の1割ほどの店が営業していた。

▲自家製の漬物をならべる八百屋さん。里芋をていねいに剥いているご主人、立ち上がると腰が曲がり歩くのがツラそうだった・・。

芋剥いて多く売りたや主の腹 (拙句)

 

▲「極楽荘」という名前のアパートならぬ、一泊1200円の宿泊施設とのこと。下町ならではの侘しさがいい。

 

▲都電荒川線三ノ輪駅。町屋、王子、大塚駅を通って早稲田まで行く。1時間弱の道のり、全線乗車は未体験。

 

▲駅近くに小洒落た店があった。

 


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