小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

一期一会

2016年12月14日 | 旅行記

 

スペイン・ポルトガルの旅ー④

旅の中盤で食あたりのような症状になり、まる一日なにも食べられなくなった。その際、同行の方々にご心配をおかけし、そのうえ何人かの方に薬や日本茶などをいただいた。嬉しかったのは梅干しとレトルトの御粥。食欲がまったくないのに、梅干しを口にした途端、胃がいっぺんに目を覚ました。しばらくして、御粥を食したいという気になった。その後、完全復帰とはいえないが、一日に必要な栄養とエネルギーを摂れるようになる。日本人に生まれて良かったとつくづく思った。

海外旅行の経験が豊かな方達がたくさんいて助かった。備えが万全であり、他人様の分まで用意しているとのこと。何故そのような心構えがないのかと、その後妻と二人して気持ちが落ち込んだくらいだ。今度、海外に行ったら、そのお返しがしたい。行けるのか、いや、いつになることやら。

ツアーの食事は、朝食はバイキング、昼と夜の食事は、前菜・メインディッシュ・デザートの3コースの構成で、一日の摂取カロリーはなんと6,7000カロリーになるそうだ。どちらかといえばオリーブをたっぷり使った脂っこい料理だ。また、ふだん食べないデザートもバターや砂糖、チーズやクリームなどをたっぷり使っているだろう。決して嫌いではないのだが、限界を超えての過食で、胃が悲鳴をあげたのかもしれない。

とはいえ、こんな惨状を呈したのは私のみ。今回のツアーはみなさんが私たちと似たり寄ったりの高齢者。金婚式の記念旅行のご夫婦や、なかには83歳というご高齢の大先輩もいた。皆さんはすこぶる食欲旺盛であるし、食事のたびにワインなども召し上がる健啖家ぞろい。 私なぞ軟弱ですぐにへこたれる、日本人として情けないかぎりである。

 

 

▲バレンシアの中央市場。愛想がよいと言えないが、買うとなれば涼しい顔で大盤振る舞い。果物屋さんでは1.1ユーロでオレンジ(日本の蜜柑そっくり)をレジ袋にぎっしり詰めてくれ、その数30個はあったろう。この時はまだ、体調も頗る良かった。強面の魚屋の男たちにフォトOKと訊くと、なんでも撮ってくれと威勢がいい。パン屋の女性もそうだったが、市場に働く人々はひたむきさと矜持をもっている。そして、カッコイイ。

 

 ▲クエンカの粋な方 年配の女性ですが、コーディネートが素敵。ファッショナブルかつ可愛いのだ。帽子と登山用ストックがなかなかの取り合わせ。声をかけた一人ひとりに、笑顔で挨拶してくれた。なかなかできません。

 

 ▲路面電車を貸し切って、リスボン観光。おもてなし精神を発揮して、混雑するなか要所要所で止めてくれた運転手さん。素敵なローカルガイドさんは、日本語は話せないけど、日本人が大好きらしい。


▲御年83歳のAさん。地元の人にいつのまにか同化してしまうところが凄い。真中の爺さんはシャイなのか顔を伏せてしまった。いちおう許可をとったつもりだったのですが・・。Aさんにはブログ掲載も快諾していただく。モノクロが気に入ってくれたらしい。実はここ、旅も最後のポルトガル、シントラ宮近くの広場。 

 

ご一緒した皆さん、旅先で出会った方との一期一会。一つひとつを紹介したいところだがそれは無理というもの。出会いを、会話を想いだし、それらを噛み締めて明日の糧にしたい。と、今は殊勝な心境であります。

 


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