小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

鮫川村、その後

2013年02月24日 | エッセイ・コラム

 以前にこのブログで書いた福島県鮫川村で建設されている高濃度汚染廃棄物焼却炉の問題。
その後テレビなどマスメディアでも少し紹介されたが、福島原発そのものがあまり表面に出なくなったことにともない、鮫川村のことも埋没してしまうのではと危惧している。

 私は最初このことを知ったとき、まず環境省の担当部署に電話で聞いてみた。(去年11月末)
もちろんこちらの素性を明確に示した。事務方の女性が出たが、どうやら背後に男性の声がぼそぼそと聞こえ、その指示で女性が私に応対する感じだった。
 結果は鮫川村にすべてを任せたのでそちらに聞いてくれとのこと。

予算も含め環境省の所管であるにも関わらず、事業についてなんの説明をしてくれないのはおかしい話だ、と喰いついても駄目だった。
こちらが尋ねるたびに電話を保留し、背後の上司(男性)と相談する。5分くらい待たされたこともあった。暇だからとはいえ、いい加減面倒になり、鮫川村と直接アプローチする方法はどうすればよいか尋ねた。電話口の後ろから「鮫川の電話番号を教えればいいんだよ」といらだったような声がかすかに聞こえてきた。
 私はそれほど必要を感じなかったが、いちおう鮫川村役場の担当者に電話してみた。たいへん親切に説明してくれて、国は私たちのために良いことをしてくれているの一点。
そんなにも呑気で牧歌的な話しぶりで、さすがに私もご丁寧な説明に感謝するしかなかった。

 その後鮫川村は、自分たちのおかれた状況がだんだん分かってきたのだろう。住民のみならず隣接の自治体やコミュニティの強力な反対運動が盛り上がるにつれ、若干の修正をしはじめた。
しかし住民説明会の開催とか事業内容を公にするぐらいが関の山。基本は環境省のいいなりというか、お上にお任せの寄らばなんとやらだ。

 環境省はほんらい規制官庁として機能するべきだが、どうやら復興予算(補正か?)がついて従来の5倍もの金が回ってきたらしい。それで、実験施設という名目だが公共事業的建設事業にも手を出さないと予算消化できない。そんな裏事情があるような気がする。

 また、計画段階だが鮫川村のお隣、塙町内に木質のバイオマス発電所をつくるようだ。

 早い話が放射能汚染された木材チップを燃やすミニ火力発電所だ。(総事業費60億円)
私は福島民報で知ったが、発電所だから経産省の管轄だろう。26年度からの稼働をめざすというが、建設、施設運営により雇用が生まれ、余剰電力は売電して自治体は潤うだろうなどと、良いことずくめの見通しを発表したがいかがなものか。

 復興という名のもとに想定外の予算がついたとはいえ、ことほど左様に拙速で杜撰な事業計画をなかば隠密裏にごり押ししてくる。こういうものが一たび実績として残ると、監督省庁の予算が既成事実化しかつルーチンの権益となってほとんどチェックが効かなくなる。
前にも書いたが決算委員会の充実化・透明化は一刻でもはやく実現できないものか。

追記
鮫川村の高濃度汚染廃棄物焼却炉の白紙撤回の署名をお願いします。

ネット署名でのアクセスは以下をクリックしてください。

http://blog.goo.ne.jp/no-nuclear/e/2b0bd66c8902c4ef68384d9ea46515f4

◇ビデオニュースの藍原さんの福島報告に、以上これらの報告がまだない。なにか事情があるのだろうか


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