小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

北朝鮮の核2

2017年09月27日 | 国際・政治

 

2005年5月に「北朝鮮の核」をブログに書いた。そのときから私の基本的な考え、自説に変更はない。徹底的に「シカト」することが最善。マトモでないものを相手にして、どうなるものでない、愚の骨頂だ。

世襲の元首による幼児的恣意、パフォーマンスは父親譲り。大国と同列であるという幻想をもち続ける、その実質である武力と、究極の「核」を対外的脅威として体制維持をはかる。国際政治的な力学としての存在理由も、北朝鮮一国だけの論理、核の「抑止力」ではなく「恐怖と威嚇」によって世界に認めさせるという荒業。まさにひとりよがりの錯誤によって、国際的プレゼンスの方法を確立してしまった。

これを自国にとって、国際社会の場で有利に都合よく使いたい北朝鮮は、いうまでもなくアメリカの「やりかた」を模倣したに過ぎない。最初は嘲笑されたが、いまでは「窮鼠猫を噛む」ぐらいには恐れられているのか・・。「核」だけによって威信と実効力を発揮できるのは虫のいい話で、同じ穴のムジナとでも言われたいチャチな野心しか見えてこない。

一連の詮ないミサイル発射で国威発揚を演出したのは、まるで戦前の国力誇示しか頭にない日本を見るようで情けない。さらに、勘違い・場違いの帝国性を誇示したからといって、誰からも相手にされず、孤立を深めるばかりの姿は確かにご先祖さまの雄姿、いや間違った幻視そのもの。そんなこと、若い人には想像にもおよばないだろうが、いつか私のように骨身に染みたら、嬉しいことこの上ない。

今生天皇も、かの半島の祖先を同祖としたそうで、なぜか同じ血が流れているような気がして、哀れさを通り越してこの身が痛いほどだ。


金生恩に諫言できる側近はもはやいないんだろうか? 客観的なものの見方、合理的な情勢判断をできる人材は、まったく彼の周囲にいない。というより傍に居たら、抹殺されるべき邪魔な存在なのだろう。北朝鮮のインテリジェンスの実行力は、先の義兄暗殺でみた映画のような行動力を物語る。まさしく、金生恩が操縦するロボットなみのパフォーマンスであり、本来の「知性」である「自分で考えて行動する」精神はそなえていない。社会主義はやはり「義」や「礼」をつぶしたんだろうな。

とにもかくにも、12年前の「核」は格段に進歩し、実質的な壊滅力を手にしたらしいのだが、どう使うべきかという本質の戦略はたぶん確立してはいまい。何故なら自国がこれまで「カード」として役割を与えられていたポジションを、理由なく放棄してしまっている。何によって国家的利益をえるかという展望さえ見失ってしまっている。

北朝鮮の一般人はふつうに食べていけるだけで充足しているのか? 表現の自由を求めないのだろうか?

▲この世の美しいもの、その芯をみることを怠ることなかれ。


そうだ、12年前に書いたことだが、最悪のシナリオは、アメリカが動くことである。

仮に北朝鮮が予告通りに、太平洋上に水爆実験を実施した場合でも、アメリカは平静を保ち交渉の場に引きずり出す戦略をもたねばならない。あくまでも国連という場での手続きを経て制裁を選択するしかない。その胆力がトランプにはないのは明々白々となった現在。ならば、NSC主体のインテリジェンスがイニシャティブをとるのか、或いは産軍複合体ではない別のなにか・・。こればっかりは他人様のことだもの、わかりゃせんのー。


アメリカがリアクションすることは、あくまでも許されないのだ。核戦争は産軍複合体にとってなんらメリットもなく、将来的な経済的ベネフィットさえもたらさない。(※追記)

「核」に対するリアクションの可能性は1,2%ほどであったが、現在のトランプ大統領では10%ほども上昇している(この数字は根拠なし)。幼児性では北朝鮮元首といい勝負なので、どちらか一方のトライアル的「核」の使用に踏み込むと、一触即発でエスカレーションする場合が考えられる。そのときに最も心配されるのが、日本をスケープゴートにすること。つまり在日米軍の近接地をターゲットに、そこを最小の犠牲にして休戦交渉することが両国にとってオプション、切り札機能を帯びる。

つまらないことを私は考えはじめてしまった。

とどのつまり、アメリカも中国もこれまでの経済政策が通用しなくなってきて、生産性・成長力がか細くなってきた。富めるものと、貧しきものの明らかな分断があるのだ。その亀裂をうめる、解決する確かな糸口さえも見つからない焦燥があるのだ、と私は思っている。ロシアも同じか?(なにか目標をもっている気がする) 

そうしたなかで、北朝鮮が蚊帳の外で、その「焦り」に感染して必死にもがいている。昔の日本のように、石油を止められ、ABC包囲網で経済封鎖されたら、遅かれ早かれ暴挙に出るだろう。そんなもんだろう、と思うし怖い。


幼児性のトランプが暴発して、ここぞとばかりに乗っかりたがる安倍首相は何をするか、ほんとに怖いのはこの人だ。

TKA彼らのためにこそ、ネガティブ・ケイパビリティが必要なんだが・・。

▲心の平安や癒しをもとめて、美しさを求めてはならない。美は求められなくとも、そこに立っている。



(※追記)今日、9月27日付の毎日新聞に「北朝鮮特需」なる記事を発見。2018年度国防予算の大枠が去る9月18日に策定されたが、北朝鮮ミサイル防衛対策費として当初の政府案より600億ドルを上回る7000億ドル(77兆円)を計上したという。まだ、何も起きていないというのに、軍需関連産業の株が軒並み上昇しているらしい。短期的な観測しかできない産軍複合体のエスタブは、心底から戦争を飯のタネにしている。北朝鮮が壊滅したら金儲けの材料が消滅するだろうに・・。(9月27日記)


















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