小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

喪中につき

2014年12月31日 | 日記

 今年、義父が逝去したので、新年の祝いを差し控えたい。
 ブログをはじめてまる十年。契約しているプロバイダーがブログを本にするサービスをしているので、どんなものになるか一冊頼んだ。四百頁を超えた。途中一年間さぼったり、いまでも平均月に二つぐらいのペースの割には、結構なボリュームとなった。来年こそひと様の(読んでくれる方がいればだが)心に満ちるような、よい文章が書けるように精進したい。
 今年の思い出というか、書き残したことは山ほどあるのだが、うちに秘めて醸成しよう。ということで、実朝の歌を引用する。

 はかなくて今宵あけなば行く年の思い出でもなき春にやあはなむ

 やはり、ビジュアルがないとブログらしくないか。ふさわしいかどうか、元祖ゆるキャラを描いた仙禅師の絵をのせたい。R.ストロースの「月の裏側」という著作を読み、仙(せんがい)の作品がモンテーニュの「随想録」にも比せられるとあった。
 「仙(せんがい) 世界を甘受する芸術」と題した短いエッセーである。
 さいごは「・・見せかけを拒むこと、あらゆる信仰を疑うこと、最終的真実への到達をあきらめることを勧める。そして同朋に交じって穏やかに生き、小さな歓びを分かち合い、悲しみに共感し、世界に順応するために、賢者に最もふさわしい状態を探し求めよと励ますのだ」と、R.ストロースは結んでいる。彼は間違いなく日本人に生まれ変わっているとおもう。

 
  ▲仙(せんがい)の作 「指月布袋画賛」

 

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
十年 続ける素晴らしさ (春野 梅子)
2015-01-02 18:56:12
何事も十年 続けるのは、凄い事だと思います。昨年の秋に『 小寄道 』を知り、その後、バックナンバーをいろいろ拝読しましたが、どれも実に重みのある文章!! ブログの内容は勿論ですが、使われている表現と難しい漢字に対して本当に良い勉強ができました。最近の【 乱れた日本語 】に接する事の方が多いせいか、なおさら、そう思っております。長年、日本で働いている英国人の友達が、もうすぐ 還暦になるので【 還暦 】は、どう英訳されているのか... ? と、まず、インターネットで調べてみました。すると、単に 【 60th birthday 】と訳されているだけだったので本来の干支にちなんだ説明から英訳しよう!! と頑張る事にしました W(`0`)W そのような気持ちになったのは、それまで無知でいる私にとって、いろいろな事を丁寧にご教授してくださるブログ『 小寄道 』のおかげです! 誠にありがとうございます!!
返信する
Unknown (フジ)
2015-01-02 21:11:21
新年に心のこもったお褒めのことばをいただき恐縮しております。梅子様にご教示できたとすれば、それは偶然のようなものです。私としては、言葉の知識よりも使い方のうまさを究めたいと思っております。さて、還暦をストレートに英訳するのは難しいですね。いっそ、「a Happy Kanreki Anniversarry! 」として、還暦がなんなのか、お相手の興味を喚起できたら幸いだと思います。いま、世界で日本語ブームらしいのです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。