小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

古本屋のライブ

2005年08月02日 | エッセイ・コラム

 先月のキキオンのライブは行けなかった。悔やまれる。ジョイントライブだったので新たなキキオンを見られたかもしれない。超絶ギターの日比谷カタンという人の演奏もどんなものか、この目で見たかった。
 超絶ギターといえば灰野さんだが、最近はとんと聞かなくなった。旺盛なライブ活動をやっているらしいが、まったく衰えていないらしい。そうだ、琴桃川凛もいた。連続射殺魔の和田くん。ま、彼に関してはかみさんの領域だから、触れずにおきたい。

 と、まあ、さみしい週末かなと思っていたところ、近所の古本屋でライブをやるという。千駄木にある「古書ほうろう」という店で、品揃えがいいのでよく覗きにいく。最近ではレヴィナスの「全体性と無限」の新本同様のものを三千円ちょっと、ブローデルの「地中海1」を500円で買った。ここは発行部数の多い本は新刊でも2,300円で手に入る。多田富雄の本は2冊で500円だった。そのかわり絶版になった本はそれなりの価格で売る。渡辺保の中公文庫「歌舞伎」は800円で驚いた。しばらくしたしたらもう売れていた。

 こんな本好きにたまらない店でライブをやるという。
 近藤十四郎というひとのライブだ。CDも出していて「古書ほうろう」でも売っているし、店でも流すことがある。どんな音楽か表現できない。つまりオリジナリティとユニークさ十分はある。
 しかし、CDを買って家で繰り返し聞くかというとちょっと二の足を踏むかなという感じ。
 で、ライブはというと実に面白かった。客は常連ばかりだからだろうか、やたら掛け声が多い。一人ライブだときいていたが、兵庫からブルースギターを弾くおっちゃんも参加する。
名前は失念したが通称はなんか外国名である。元憂歌団のドラマーとバンドも組んでいるとのことだが、はっきり言ってギターはいまいちかな。でもMCがいかにも関西でおもろいやんけ、と難波スピリット十分。このおっさんはいまどき珍しいマッシュルームカットだから、そのギャップで何を言っても味が出る。
 後半は近所のベースマンが特別参加する。このにいちゃんの風貌が面白い。ちょっと小柄な太目のプロレスラーといった体躯。さらに頭が上下さかさまのイメージを思わせる顔なのだ。つまり頭はスキンヘッドで顔の下半分は全部真っ黒な髭に覆われいる。ちょうど顔の半分で喫水線のように刈り込んでいるので、頭が逆さについているように見えるのだ。
 このにいちゃんが「千駄木に地震でもおこしましょうか」とさりげなく言う。
 この3人の下町ブルースロックに60人ほどの観客はおおノリで、最後はみんな踊りだした。新興宗教のような一種のトランス状態に突入。さすがに私は躊躇したが、こんな小スペースの古本屋でこんなライブをやるとは、驚き、桃の木、山椒の木である。8月13日にもやるらしいがお盆の最中でいけるかどうか・・。こんどはかみさんを連れて行こう。


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