小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

猫の鼾

2020年07月17日 | 日記

ひとり世帯になって寝起きし、炊事、洗濯あれこれと、自分で笑うくらいに小まめな男になった。新聞に入っていたチラシなんか見たりする。それを見てさあ買い物だ、とは流石にならない。いや、いつか行くことになるのか・・。

雨が降り止まず、雨音が否応なしに耳につく。で、昨夜ビデオでみた猫を思いえがく。あんな、人間っぽい猫がそばにいたらどうなるのか。寂しさなぞという感情は、まず紛れるんだろう、とおもう。でも、分からない、実際のところは。

その猫は、NHKのEテレ『猫メンタリー・猫も杓子も』という番組で紹介された20歳の老猫で、「松太郎」と名づけられていた。飼い主は作家井上光晴の娘、小説家の井上荒野だ。正確には、彼女と旦那の二人が飼い主である。井上は「私の、猫ではない、夫婦の猫」だと訂正していた。

松太郎は、歳のせいか歩き方がぎこちない。人間では90歳ほどの年嵩になるらしいが、見た目はしゃきっとしている。養老先生のところの「まる」よりも、歳をとっている割には、けっこう溌溂としている。ただし、よく眠っている感じだ。そのシーンが何度も映されている。そしてなんと、鼾をかいているのだ。

人間の鼾としか思えない、どうどうとした鼾だ。鼻を鳴らして、低めの複雑な音をだしている。場面が変わって、ときにクゥークゥーと、ひとつオクターブの高い鼾もかく。こちらはなんとも可愛い鼾で、子どもがかくような鼾だ。

いやはや、松太郎の鼾は一様でなく、クゥーはグゥーになり、グフやフー、スーにもなる。なんて人間ぽい鼾をかくのかと感心しきり。こんなことを書くのは、猫を飼ったことがないからで、猫とともに暮らす方ならば当たり前のことだろう。

ものの本に、ため息をつく猫のことが書いてあった。他にも、飼い主に叱られて、しょげてしまう猫もいるらしい。すこぶる人間らしい反応、しぐさをする猫がそばにいるのは、きっと心強いだろう。隣りにため息をつく猫がいたら、「どうしたんだい」と声をかけたいし、毛づくろいもしてあげたい。

まあ、うちには「いくら」という大きな緑カメがいる。余計なことを考えないようにしよう。雨降りはいろんなことを考えさせる。こんな日があってもいいし、こんなブログはたぶん山とあることも知っている。妄言多謝

 

▲井上荒野の小説は、半年前だったか途中まで読んで挫折した。父親と女性作家との不倫の話だった。いまひとつ興が湧かなかったのは、むろん私のせいだ。

 

▲地面で遊ぶ亀。さぞお喜びであろうと、思っているのだが・・。


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