小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

津高和一の『断簡集』をもとむ

2019年08月03日 | 本と雑誌
「声は楽器のごとく」という記事を書いた延長で、『共感覚という世界観』(原田武著・新曜社)という本を図書館で借りて読んだ。アルファベットや数字が、色彩や音色として感覚される不思議な「共感覚」という知覚現象を、心理学や脳科学、時にマクルーハンのメディア論などの研究書を参照し、著者がフランス文学者のためか、古今の文学書を繙いて共感覚的な表現を論じたきわめて刺激的な書であった。 A.ランボーの「母音」と . . . 本文を読む