小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

『みすず書房旧社屋』を読む

2019年06月18日 | エッセイ・コラム
前々回に、みすず書房についてふれた。それに関連して、写真家、潮田登久子さんの『みすず書房旧社屋』(幻戯書房2016年刊)という本について書く。 1996年に同社社屋が解体されるまで、数年を通して撮影されたモノクロ写真は、朽ちかかる古い木造住宅へのノスタルジーを見事なまでに写し出し、亡び去るものへの美を切り取っている。人も、モノも、寿命を全うするとき、想像をこえる美しさを放つのだろうか。愛着や諦観 . . . 本文を読む