こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

ねこだらけ物語

2006-06-01 00:00:00 | 未分類
一条理季さん『ねこだらけ物語』を、読みました。

ウミツ島のテツユキは、島一番の漁師である。
ある日、海でおぼれた少女を拾ってきた。
15年前の災厄で、60億人いた人類は、2、3億人にまで減少した。
陸の生物の多くが死に、地上で作物がほとんどとれなくなったため、
人々は漁業で食べていくのがやっとだった。
更に、最近はその魚もとれなくなりつつあり、少女は口減らしのため、自ら海に飛び込んだのだった。

この話では、猫も生きるために海に飛び込んで魚をつかまえるようになっています。
その始めに魚をつかまえるようになった猫「しま」は、少女るるなを、飢えて死んだ「まま」
の生まれ変わりのように思い、慕います。
また「たま」は、早産で死にかけていたところを、獣医のダイスケに助けられますが、
飼い主には捨てられ、ダイスケと暮らすようになります。

これを読んでいると、人間は動物を飼っているように思っているけれど、動物からすれば、
世話の焼ける子供の面倒を見てやっているように思っているのかもしれないと感じ、
人間と猫の交流が、とても微笑ましく感じられました。

最後の人間のどろどろしたねたみや悪意は、とてもつらく感じましたが、生きるのでさえ
死に物狂いでなければやれなくなると、大なり小なり生まれてくるものなのかもしれません。
ただ、それに対するダイスケやテツユキ、るるなの接し方が素晴らしく、人間としての見本を
見せてもらったように思います。
私も、こうありたいと考えました。

2004年発行なので、一般書店で手に入るか危ういところですが、ぜひ読んでみることを、お勧めします。

昨日、webラジオ「S.S.D.S.愛の解体新書」30回目を聴いていたら、
またメールを読んでいただきました。
25回目の放送でも採用されたので、もう読まれないだろうと思いつつ、メールを送っていたのですが、
とてもうれしいです。
速水奨さま、千葉進歩さま、ありがとうございますm(__)m
今回も、聴きなおしてテープに録音しました。
また何か思いついたら、投稿しようと思います。
今のところは、ありません。

コメント
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