鎌倉の隠者

日本画家、詩人、鎌倉の鬼門守護職、甲士三郎の隠者生活

66 君子達の遊戯

2018-12-06 13:24:25 | 日記
---冬籠り耳の尖りし琴師範---

(琴棋書画図屏風一双 狩野派 江戸時代 探神院蔵)
琴棋書画(または詩書画三絶)は君子の嗜みと言う。(これらの「書」とは自作の詩を書く事)
昔の偉い人達もしっかり遊んでいたのだ。
竹林の七賢の故事も実態は似たような事だろう
世俗を逃れ理解し合える者達だけで集まって楽しくやろうという訳だ。
隅々まで教育の行き届かなかった時代、乱暴に言えば愚かな王侯や無知蒙昧な大衆の扱いに疲れ果てた知識人だけの理想郷だ。
賢者達の暇に任せた勝負事はさぞ白熱したと思う。

(琴棋書画図屏風 琴の部分)
五柳先生無弦琴の故事は、五柳と言う琴の名手が弦を張っていない琴を持っているのを世人が不思議に思い問うたところ、私の心の中には常に妙なる調べが鳴り響いているので弦は要らないと答えた。
世人に聴かせる必要の無い、己れだけの至高の音楽と言う事だ。
俗世では真の音楽の理解者に恵まれぬ上での奇矯だろう。
本朝にも玄象の琵琶や秘曲の話があるし、隠者の始祖である歌人西行や業平達にも似た思いはあったろう。
彼等も価値のわかる人の中でなら喜んで弾きまくっていたに違いない。

(琴棋書画図屏風 棋の部分)
私も今でこそ隠者に落ちぶれてはいるが、一応ピアノとギターは学生時代からやっている。
ゲームもモンハンはG級ソロクリアーで、詩書画は言うまでも無いだろう。
従って現代版の琴棋書画、君子の遊戯はオールクリアーの達人級なのだ。
我が卑小な人生の中でも、これ位は自慢になると思う。

©︎甲士三郎

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