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鎌倉の隠者

日本画家、詩人、鎌倉の鬼門守護職、甲士三郎の隠者生活

159 酒神の祭典

2020-09-17 13:41:00 | 日記

隠者にとって果糖類は毒にも等しいのに、また今年も例の友人が大量の葡萄を送って来た。

仕方無いので恒例の葡萄とワインの神ディオニッソス(ローマではバッカス)の収穫祭だ。


中央奥が古代ギリシャ時代のコインやメダリオンで組んだ酒神のイコノグラム。

食器類はイギリスアンティークのピューターブラス類(洋食器はこれしか持っていない)だ。

古代〜中世の雰囲気を出すには後世の色絵磁器は使えない。


料理の出来は雑誌やSNSの写真に到底敵わないが、精神面ではアーティファクト(聖遺物)やアンティークで印象深い祭典を味わえる

混沌と狂気を象徴するディオニッソス神は、ギリシャ神話の中でも隠者の好きな神である。

上の写真のイコノグラムから、古代レリーフの一部をお見せしよう。


上段中央が美男のディオニッソスでその裏が葡萄のレリーフ。

左右は妖精(ニュムペー)で下段右が酒杯(スキュポス)左が魔杖(テュルソス)などで、酒神の楽園を蘇らせた。

隠者はこんな感じで神話世界に入り込んで楽しんでいる。

古代のコインを集めるにも図像学神智学などの知識があると、神話世界を再構築する目安となって面白い。


酒神には申し訳ないが、私が飲めるのは薬用酒一杯だけだ。


血糖の呪いで量を飲めない代わりに、薬用なれども味覚にはこだわった。

ピコンはナポレオン軍御用の薬用酒で、竜胆の根の深いこくが特徴だ。

酒好き諸賢のアペロにもお薦めできる。

残った葡萄は家人隣人達も血糖値を気にしてあまり食べないので、半分以上は廃棄せざるを得ない。

また小鳥に餌をやるのも鎌倉市では禁止なので、如何ともし難い。


©️甲士三郎