鎌倉の隠者

日本画家、詩人、鎌倉の鬼門守護職、甲士三郎の隠者生活

135 引篭りの指南

2020-04-02 13:10:00 | 日記

ほぼ世界中で不要不急の外出禁止となってしまった。

そこで今回は引篭りの達人であるこの隠者が、快適な引篭り生活の要諦を指南伝授しよう。


引篭りと言っても萎縮して何もせずにいるのでは、ストレスが溜まる一方で免疫力も低下する。

そこで先ずは非常時であろうとも食事はしなくてはならないので、食卓くらいは楽しく華やかにしたい。

ありきたりの食材と手軽な調理でも、音楽をかけ花を飾り器を選ぶだけで結構豪華な気分になれる。


料理の腕は並なので、レシピなどは御勘弁いただく。

器は先日も紹介した大正昭和の九谷と、同じ頃のイギリスのピューターの和洋折衷で揃えてみた。

BGMは都会人向けにクリストファークロスのニューヨークシティー セレナーデで、苦難を共にする遠国の人々に想いを馳せよう。

平常の祝宴ほどには凝らなくとも、隠者はこの程度で十分満足できる。


外出禁止と言っても人混みの少ない近所の散歩程度は、健康のために続けた方が良いそうだ。


今週あたりは近所の山の芽吹きの色が最も多彩になる時期で、春らしい花曇りの朝陽に映えている。

鎌倉の山は植林の少ない自然の雑木山が多く、大和絵に見るような日本古来の春色が味わえる。


下の写真は先日の雪の日の踊子草。

次の日に見たところ季節外れの氷雪にも耐えて、可憐な蕾も生き延びていた。


元々隠者はその存在自体が不要不急の最たる物なので、指南などと張り切った割にいつものブログと大差なくなってしまった。

よく言う「常住戦場」は我が重代の家訓でもあるが、補足すると「戦場においても普段の訓練通りにしろ」と言う事であって、日常生活を戦場並にしろと解釈するのは俗信である。

そもそも平常の生活を守る為に戦うのであって、そこを本末転倒してはいけない。

我々もこの災厄の中でも可能な限り平常通り美しく生きて行ければと思う。


©️甲士三郎