---囀や旅に出られぬ旅鞄---
春の取材旅行を計画していると、奥の細道冒頭の芭蕉の気持ちが良くわかる。
「月日は百代の過客………股引の破れをづづり笠の緒付けかへ…」
支度をするだけでも、もうわくわくする。
限られた旅の荷に何を持って行くかさえ、悩ましくも楽しい。
いつものスケッチセットに小型カメラ、iPad、旅茶碗までは必携。
問題は持仏、守護神、タリスマン、護符などの御守りの類だ。
西行の持っていた折り畳みの仏龕みたいな、携行用の祭壇付き守護神が欲しい。
小さな金銅菩薩像はあるが旅用の厨子がない。
そこで思い付いたのがギリシャローマ時代のコインだ。
(ヴィーナス ユノー ミネルヴァのローマ三美神 2〜3世紀)
写真では金色に見えているが、ホワイトバランスのミスで実は銀貨である。
日本は仏教も道教儒教も外国から受け入れたのだから、ギリシャローマの神々も許されると思う。
コインの神像なら小さな額縁やパスケースに入れて持ち歩けるし、山の中でも宿でも休息時に気軽に取り出せる。
彫刻としての芸術的なレベルも十分満足出来る。
女神の御加護さえあれば、もう一人旅でも淋しくはない。
金貨に拘らずに銀貨銅貨なら数も多いので、芸術神アポロンでも三美神でもネットオークションで買えるようだ。
また近代彫刻は殆どがブロンズだから、銅貨だろうと神像として安っぽくは感じない。
私にとってギリシャ ローマの彫刻は画学生時代に散々デッサンしたので、青春時代に戻った気もして来た。
という訳でぼちぼち揃ってきたのだが、収集が面白くて止まらなくなってしまった。
三美神にアポロン、サルース(健康)、フェーリーキタース (幸運)、パークス(平和)、リベリタス(自由)、どれを持って行けば良いのか、また新たな悩みが………。
本当は旅人の神のヘルメスが欲しかったが、見つからなかった。
映画やゲームのお陰か、若い人達にはギリシャ ローマ神話は今や世界共通の文化となっているので、八百万の神より親しみ易いかも知れない。
さあ、装備は整った。
いざ女神達と共に心踊る冒険の旅に出掛けよう!
---陸続と鎌倉を発つ破魔矢かな---
(破魔矢は正月の季語だった)
行く先は世の果ての…異世界の………取り敢えず北鎌倉。
(椿の蜜を舐めるリス 北鎌倉)
©️甲士三郎
春の取材旅行を計画していると、奥の細道冒頭の芭蕉の気持ちが良くわかる。
「月日は百代の過客………股引の破れをづづり笠の緒付けかへ…」
支度をするだけでも、もうわくわくする。
限られた旅の荷に何を持って行くかさえ、悩ましくも楽しい。
いつものスケッチセットに小型カメラ、iPad、旅茶碗までは必携。
問題は持仏、守護神、タリスマン、護符などの御守りの類だ。
西行の持っていた折り畳みの仏龕みたいな、携行用の祭壇付き守護神が欲しい。
小さな金銅菩薩像はあるが旅用の厨子がない。
そこで思い付いたのがギリシャローマ時代のコインだ。
(ヴィーナス ユノー ミネルヴァのローマ三美神 2〜3世紀)
写真では金色に見えているが、ホワイトバランスのミスで実は銀貨である。
日本は仏教も道教儒教も外国から受け入れたのだから、ギリシャローマの神々も許されると思う。
コインの神像なら小さな額縁やパスケースに入れて持ち歩けるし、山の中でも宿でも休息時に気軽に取り出せる。
彫刻としての芸術的なレベルも十分満足出来る。
女神の御加護さえあれば、もう一人旅でも淋しくはない。
金貨に拘らずに銀貨銅貨なら数も多いので、芸術神アポロンでも三美神でもネットオークションで買えるようだ。
また近代彫刻は殆どがブロンズだから、銅貨だろうと神像として安っぽくは感じない。
私にとってギリシャ ローマの彫刻は画学生時代に散々デッサンしたので、青春時代に戻った気もして来た。
という訳でぼちぼち揃ってきたのだが、収集が面白くて止まらなくなってしまった。
三美神にアポロン、サルース(健康)、フェーリーキタース (幸運)、パークス(平和)、リベリタス(自由)、どれを持って行けば良いのか、また新たな悩みが………。
本当は旅人の神のヘルメスが欲しかったが、見つからなかった。
映画やゲームのお陰か、若い人達にはギリシャ ローマ神話は今や世界共通の文化となっているので、八百万の神より親しみ易いかも知れない。
さあ、装備は整った。
いざ女神達と共に心踊る冒険の旅に出掛けよう!
---陸続と鎌倉を発つ破魔矢かな---
(破魔矢は正月の季語だった)
行く先は世の果ての…異世界の………取り敢えず北鎌倉。
(椿の蜜を舐めるリス 北鎌倉)
©️甲士三郎