鎌倉の隠者

日本画家、詩人、鎌倉の鬼門守護職、甲士三郎の隠者生活

24 待春の源氏絵

2018-02-16 15:54:16 | 日記
---源氏絵を掛けつ我が身の物語 紡いでをりぬ春を待つ間---

(源氏物語 梅が枝 土佐派 江戸時代 探神院蔵)
寒紅梅はもう散ってしまったのに、大寒波到来で白梅の開花が10日ほど遅れている。
探梅行の記事を予定していたのを、この絵を思い出して差替えた。
源氏絵は朝廷の御用絵師だった土佐派の専業で、この段にはこの花、この人はこの装束、などの細かい秘伝があって他派の追従を許さなかった。
絵巻物が桃山から江戸初期に流行し、江戸後期は絵草紙になって行く。
私も五十四段全て集めるべきだが、二十数段で止まっている。
源氏絵で一番人気は何と言っても若紫の段だ。

(源氏物語 若紫 部分 土佐光起 江戸初期 探神院蔵)
この絵は飼っていた小鳥が逃げて若紫が嘆いているのを光源氏が見初める場面だ。
これを掛けた書院でぐだぐだしながら、高校の文芸部の短編小説を書き始めた。
鎌倉を舞台に探神院も出て来て、題は偉そうに「歌神伝」だ!
春の絵の取材までの時間で完成させよう。
題は良いが小説への意欲は高くないので暇潰し程度で終わるだろうが、出来上がったらご披露しよう。

(緋寒桜に目白)
若紫にちなんで鳥の撮影に出かけてみた。
野鳥の写真は慣れないと難しいと聞くが、家の周りの花木なら何とかなりそうだ。
超望遠レンズは持っていないので、これで上出来だろう。
腕が上がったら本格的な野鳥用のレンズの購入も考てみよう。
ただ隠者には最新鋭の超望遠レンズを振り回す姿は似合いそうもない。
撮影行には隠者装束はやめておこう。

©️甲士三郎