人の集まる場所で、なんとなく・・・臭いな~・・・ということがある。
オストメイトとなって、便や屁を、腹のパウチ(小袋)で管理するようになり、いろんな人体の不思議を実感することは多くなった。
まず放屁、完全密封にして高性能フィルターさえも封印して使っている俺のパウチは、年中ガスで膨らむ。
それは食べたモノの種類にもよるし、運動の量や体調にもよる。
人間がオナラをするというのは、あくまでも肛門に自覚症状のある場合のことで、それ以外でも年中オナラは漏れていたんだということが、よく解る。
健常だった頃には、自覚するオナラの回数なんて一日にそんなにもなかった。
毎朝、歩きながら プッ!プッ!プッ! てなもんだった。
ところがオストメイトとなって、腹のパウチのガス抜きの回数ははるかに多くなってる。
しかも、パウチがパンパンに膨らむということは放屁10回分くらいに匹敵するから、ガス抜きの時に周囲に充満する臭いたるや、山の熊さんもひっくり返って気絶するだろうくらいの強烈さだ。
かくれんぼしてた小学生たちが、俺のガス抜きしたトイレに駆け込んで隠れたことがあるが、すぐにフラフラになって出て来たこともある。
あなた方は、そのくらいに年中あちこちでオナラを無意識のうちに漏らして居る、そういうことだ。
キレイゴトばかりの日常でも、薄汚いもんさ。
それに比べて、俺はオストメイトとなって、臭いも完全にシャット・アウト、使わない肛門も綺麗なもんで、逆に臭いに敏感になってるかも知れない。
これは奥山を歩くときには、他の大型野生動物を察知するのには役に立っている。
ところで、火山の噴火には大きく二通りあって、噴火するマグマが高温で二酸化ケイ素の量が少ないほど、粘性が少なくなり、噴き出したマグマは流れやすくなり、広範囲に広がって傾斜の少ない台地のようになる。
逆にマグマの温度が比較的低く、二酸化ケイ素の量が多いとき、粘性は強くなり、流れにくく、傾斜の急な火山を形成する。
粘性の少ない火山は、内部に溜まるガスも抜けやすく、穏やかな噴火を繰り返してゆくが、粘性の強い火山は内部のガスの抜けも悪く、溜まりに溜まると大爆発を起こし、大規模な火砕流を発生させる。
オストメイトになって、俺はひとつの火山なんだと言うことが、最近よく解った。
銀座では、ことあるごとにみなにこれを話してやってるが、あんまり理解してもらえない・・・それこそ日本人として、寂しいこった。