海の水温がグッと落ちて来てる。
で、昨日は久々に太平洋ではなくって山に入った。
10年くらい前から、わざわざ人のいないだろう山ばかり選んで登り歩くようになって、混雑や渋滞ともご縁がなくなっている。
古い吊橋渡って登る山や、古いダムから登る山や、廃村から登る山や、いろんな愉しみが増えて居る。
観光地化していない古い吊橋なんてのは、独り歩くだけでよく揺れて、朽ちた床木の隙間からは目がくらむ下の渓流が見えていたり、重いザックを担いでいると、それはそれは肝の冷えることもある。
昨日は山じたいは大したことはなかったが、吊橋を2本渡って来た。
裏丹沢と言えば獣たちがまだまだ元気に生きて居る。
小熊か? と見間違えるような猪や、鹿には出会えた。
国道沿いの3台くらいでいっぱいになる駐車場には、渓流釣りの車が1台だけだった。
苔むした石垣や、合戦場跡、戦国時代よりももっと古い戦いの場所や落ち武者狩り、伝説はたくさんあり、道志村の孤立した生活にまつわる情欲にまみれた愉しい話もたくさんある。
歩きながら日陰に流れ落ちる清水に手を入れてみると、痺れるような冷たさだった。
これらが道志川に落ち込んで行き、キャンプ場のそばを流れてゆく。
人間はだ~れもいない森、これが最高に気持ち良い訳だが、2本目の吊橋を渡った森の入口に、なにやら蠢くものが見えていた。
獣であれば始終鼻を効かせてるから臭いで解るが、それもない。
・・・なんか居る、なんだろう?
怪訝な想いで揺れる吊橋を渡り終えると、40歳くらいのガタイの良いオヤジが一人いた。
道端には折り畳み椅子が置かれ、その上に大中小のぬいぐるみが重ねて置いてあった。
・・・おう! なにやってんの?
・・・写真を撮ってるんです・・・
・・・え~? その熊のぬいぐるみ三つの??
・・・そうですそうです、モモンガです!
・・・撮影会かい!?
・・・もう一匹います
嬉しそうに話すオヤジの腰には一番小さなモモンガがぶら下がっておったがな。
・・・この辺はハクビシンやモモンガもいるよな~
・・・でも夜行性だから・・・
昼間はぬいぐるみか・・・と言おうとしたが、あんまり虐めても可哀想なんで、やめといた。
・・・せいぜい可愛いく撮ってやってな
・・・ありがとうございます、気をつけて!
笑う顔が、平家の逃れ生き残った末裔か? というほどにキレイな白い肌だったので、余計に薄気味悪かった。
帰り道、信号待ちしてると道端に・・・やまゆり園・・・という看板があった。
あの15人だかが惨くも殺された障害者の施設だが、閉園してるなら看板も撤去すべきだろう。
・・・まったくよ・・・このあたりから山中湖にかけてのエリアは、大昔から人間の情欲が絡む話にはキリがないほどに、ドロドロしたものがたくさんある。
と、相模原まで出て飯を喰い、またまた信号待ちしてると、二人の子供を連れた母親が横断歩道で信号待ちしておった。
・・・こんな人目の多い場所で、鼻くそほじるなよな~
そんな嫌な思いで眺めていると、その母親の鼻をほじっておった指が口に入った瞬間、絶句した。
・・・食べたのか?? 食べたよな??
いや~、出掛けるといつものことだが、なんだか嫌なモノばかりイロイロと遭った一日だったが、人間ってのは怖ろしい生き物なんだぜと、帰って話していると
・・・人のいない山ばかり登り歩いてるオヤジのほうがよほどに怖ろしいよ
なるほどな、言われればそうかも知れんわいな。
俺も怖ろしいオヤジかも、知れないね。
さ~、今朝も7時過ぎからエアコン交換工事の打ち合わせをやってる。
寝不足、広島往復の疲れ、身体の疲労はピークだけんども、ゆっくり出来ないのが定めかいな。
今週末からまた2000mの山に戻るわさ。