ころりん~キラキラ☆

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2013-09-29 10:27:59 | 




最近は夜になると、
秋の虫たちの声がずいぶんとにぎやかですね(^^

日本人は古くから、虫の鳴き声を、
秋の風物詩として楽しんできました。



俳句では、「虫の声」は秋の季語になっています。

「盆過ぎて 宵闇暗し 虫の声」 松尾芭蕉

「茨野や 夜は美しき 虫の声」 与謝蕪村

「声々に 虫も夜なべの 騒ぎかな」 小林一茶

「窓の燈の 草にうつるや 虫の声」 正岡子規



虫の鳴き声に風流を感じて、
それを情緒的に味わうという文化は、
日本に特有のものだそうです。

『日本人の脳』の著者である
角田忠信(つのだただのぶ)博士は、

かつてアメリカで研究していたとき、
おもしろい発見をしました。

それは、
欧米人があまり虫の音に気づかないということでした。


欧米人の脳は、
虫の音を雑音として処理してしまうので、

日本人である角田博士が
「虫がにぎやかに鳴いているなあ」と感じるような
場所でも、
欧米人は虫の音をほとんど意識しないのです。


その後、角田博士は研究を続け、
次のことを発見しました。

日本人は、
虫の音や、人の感情音(笑い声、泣き声など)、
自然音(小川のせせらぎ、風や波や雨の音)など、
これらの音を言葉のように、言語脳(左脳)で処理している。


つまり日本人は、
虫の音(鳴き声)や自然音を、
言葉を処理するのと同じ左脳で処理しているのです。

だから日本人は、
「虫の出す音」を「虫の声」として聞くのです。
虫が語りかけてくるように感じるのです。


日本人にとって、木や森や虫や動物たちは、
声をもって語りかけてくるものなのですね。

このような自然観をもっていたからこそ、
古来、日本人は、自然を征服しようと考えるのではなく、
自然と対話し、自然とともに生きようとしてきたのだと思います。



また、
オノマトペ(擬音語や擬態語)がとても豊かに発達して
いるのが、日本語の特徴の一つです。

火は「メラメラ」、雨は「シトシト」、風は「ビュウビュウ」、
小川は「サラサラ」、雷は「ゴロゴロ」、煙は「モクモク」。

まるで自然物が「声」をもっているかのようです。



「自然物にはすべて魂が宿っている」
「森羅万象には神が宿っている」
という日本人の自然観や、

「もののあはれ」「わび」「さび」などの
独特な感性に満ちた文化は、

日本語の特徴からくるところが大きい。
と角田博士は述べています。



ちなみに、
虫の鳴き声や自然音を言語脳(左脳)で処理するのは、
日本人とポリネシアで育った人だけだそうで、

欧米人やアフリカ人や日本を除くアジアの国々の人達は、
自然音を右脳で処理するそうです。


より正確に言いますと、

上記のような脳の処理の違いは、
6歳から9歳までの間にどのような言語環境で育ったか
によって決まるそうです。

たとえば欧米人であっても、
6歳から9歳までの間に日本語(あるいはポリネシアの言語)
を主とする言語環境の中で育ったならば、
自然音を左脳で処理するようになるそうです。

逆に、日本人やポリネシアの人であっても、
6歳から9歳の間に、たとえば英語を主とする言語環境の中
で育ったならば、

自然音を右脳で処理するようになるそうです。


言葉の影響力って大きいんですね。



話が取りとめなくなってきましたので(^^;

最後にもう一句、私の好きな句を紹介します。


「行水の 捨所(すてどころ)なき 虫の声」 上島鬼貫


行水(ぎょうずい)に使った水を捨てたいのだけど、
あたり一面が虫の声で、
どこへ捨ててよいものやら、
捨てる場所が見つからないわけですね。

なんとも優しい気持ちになる句です(^^

野口さんの メルマガから~





秋 楽しんでいますか??





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