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いったい私はなぜ、何を学んで、鶴見に助けられたのでしょうか。
一つは、自分と世界の間をつなぐ手がかりを与えられました。具体的に言えば、私は学生の頃にもっていたラディカルな思いというものを捨て去りがたく、そのため、時代が変った後、これに代わるリベラルというあり方を自分に許すことができなかったのですが、もしリベラルというあり方を強くできれば、「非常におだやかでない」ものを抱え、ある意味で「気違いじみたこと」を抱えながらも、「リベラル」であることはできるという実例を鶴見に示されたということになります。それは、別に言えば、自分を二つにもつ。ということです。自分の中に、二人の自分をもてば、自分は揺らぎ、そこからリズムも生まれる。生きることは可能になる、という感じです。
もう一つは、うさんくさいもの、不自然なもの、信用のならないものの中で、真実は、切実に生きている、ということです。信頼に足るもののなかで、真実は、しっかり生きているのですが、うさんくさいもの、不自然なもの、のなかでは、真実は、おっとっと、というように、ふらふらと、足をよろめかしながら、しかし、切実に、生彩をもって生きています。その様相を捉えよ。それが、自分からはみでていくコツだ。
ここでは、この二つを、鶴見さんから私が教えられたこと、鶴見さんからのギフトだったと申し上げたいと思います。
黒川創*加藤典洋 『考える人・鶴見俊輔』より 弦書房
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加藤典洋と似たような感じ方で鶴見俊輔という人を何となく敬遠していた。
毎度のことながら、徳さん、読み込みが浅い、、、。
で、今回、徳さん気になったのは、人の幼児期にの心の傷、いわゆるトラウマというやつ。
鶴見俊輔はかなり特異な環境下に育ったと言える。
祖父が後藤新平で、裕福な皆から尊敬される家系に生まれ育った。
そんな中で、母が倫理的に厳しい人だった。
特権的な自らの生活を内省する人だった。
世の中の下積みの人となれ!
俗塵に埋もれて過ごす人となれ!
偉くなるなんて考えるな!
幼児期にこんな刷り込みをされた人間はほとんどいないだろう。
偉くなれと育てられれば、そこから逸脱する逃げ道がある。
だが、偉くなるな!といわれて、逃げ道を封鎖されて子供はどのように対処すればいいのだろうか?
その回答が、鶴見俊輔の生き様でもある。
厳しいバインドを乗り越えることにこそ、生きる価値がある。
徳さん、鶴見俊輔の母上に注目!
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