カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

川村元気 『世界から猫が消えたなら』 小学館文庫

2016-03-14 17:45:14 | 本日の抜粋
ベストセラーに関心のない徳さんはこの本の存在を知らなかった。
ましてや、それが映画化されてるなんて、、、。

とある事情と、とある成り行きでこの本を手にした。
そして、読了後、とある事情ととある成り行きに感謝している。

この本が何を言いたかったのかは、受け取る人によって様々なのだろう。

というのは、テーマは気付かずにいた愛の存在だ。
端的に言えば、父さん母さんの愛への気付きである。
だから読者は自分の受けた個別、特殊な愛を思い出したり、反芻することになる。


主人公のお母さんが死を前にして、主人公のかつての恋人に遺書を託す。

お母さんは死を前にして、死ぬまでにしたい10のことを考えた。
でも、結局のところ、自分したい事は息子である主人公のためにしたい事だらけだった。

で、急遽方針を変え、お母さんが感じた息子のいいところを10ほどあげることにする。

  *****
 あなたの素敵なところ。

 あなたは人が悲しいときに、一緒に泣くことができる
 あなたは人が嬉しいときに、一緒に喜ぶことができる
 そのかわいらしい寝顔
 笑うとできる、小さなえくぼ
 不安なときに、ついつい鼻をさわってしまうその癖
 必要以上に周りに気をつかってしまう、その性格
 私が風邪を引くと、いつも家事を張りきってしてくれたあなた
 私が作った料理を、本当に美味しそうに食べてくれたあなた
 いつもすぐに悩んで、考え込んでしまうあなた
 でも悩んで、悩んで、最後には正しい答えを出すことができるあなた

 あなたの素敵なところ、これだけを忘れずに生きてください。
 それさえあればあなたも幸せだし、あなたの周りの人もきっと幸せだと思う。
 いままでありがとう。そしてさようなら。
 いつまでもあなたの素敵なところが、そのままでありますように。
  *****


実際には、こんな素敵な遺書を手にする人は稀なんだろう。
でも、どの子もお母さんからこの種の遺書を貰っているものと思って間違いない。

それにしても、着想が意表を突いていて唸る事しきりでござんした、、、。
自分と対極的な性格の悪魔が出てきたり(自分の潜在意識に存在するアンチ己)、猫が突然江戸の言葉でしゃべりかけたり、、、、。

ユーモアたっぷりに、優しい言葉で生と死を哲学している小説でもありました。



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