カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

想田和弘 『熱狂なきファシズム』② 河出書房新社

2014-11-19 19:29:39 | 本日の抜粋
今まで想田和弘の事を知らなかった。
新宿の片隅のマンションの一室で、じいっと次に来る患者さんを待っているのが徳さんの後半の人生の常態となってしまった。

まるで女郎蜘蛛のようだ。
(もちろん蜘蛛一般でもいいのだが、ここは好みという事で、、、)
網を張って、遠くに引っかた獲物の振動をキャッチしてあたふたと駆けつける。
そんな感じだ。

そんな時の振動の一つに想田和弘に関する情報があった。

この本の半分ぐらいは、政治的なことが述べられている。
でも読んでいくと、想田和弘自身は決して政治的な人間じゃない、事が判る。
彼も蜘蛛の張り巡らす網にキャッチされたのだ。

まずは、彼の憲法談義。

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 日本国憲法は、第二次大戦という人類史上最も凄惨で大規模な殺し合いが終わり、「戦争もファシズムも懲り懲りだ、これからは民主主義だ」という理想主義的な機運が数年間だけ世界で盛り上がったときに、ほとんど偶然のように「出来てしまった」憲法である。それは極めて優秀な人々のよって書かれただけでなく、極めて特殊な時代状況の中だからこそ、憲法として成立しえた。
  ******

ノーベル平和賞にノミネートされる意味が、世界にとってここにある。
奇跡の産物だったのだ。

憲法をアメリカから押し付けられたものとして批判する勢力に対してはこう反論する。
① まず最初にアメリカは日本政府に憲法草案を作らせたが、それは明治帝国憲法とほとんど変わらぬものであった。当然、没だよね。
② 押し付けられて困る者は誰か?
「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」(第14条)
ほとんどの日本国民は歓迎すれど困りはしない。


ドキュメンタリー作家としての想田和弘が出くわした名言のいくつか。

*精神病にはどんな最新の薬よりも「人薬」がよく効く。

*『精神』では「こらーる岡山」という小さな診療所とその周辺にカメラを向け、そこから広い世界を垣間見ようとした。
実際、世界は入れ子構造になっていて、狭い世界に広い世界の構造が縮図のごとく詰まっている場合が多い。

*「観察」の対義語は、「無関心」。

*観察することの意義は、固定観念や偏見を液状化し、世界像を更新することにある。
(想田和弘は観察映画を唱えている)




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