猫ちゃんを飼いそびれる

可愛い猫ちゃんである。
生後約４ヶ月と推測される捨て猫。
この猫ちゃんを飼いそびれた。

昔、猫を飼っていた。
太郎と名付けた。(何とも安易な名前付け)
かなりヤクザな猫で、外出するたびに怪我をして帰ってきていた。
やがて、子分の猫たちを配下に治める親分猫となっていった。

還暦過ぎた徳さんにとって、猫のイメージはこのように自由奔放な生きもの。
親分なしでは生きられない犬と違って、人間が手出し出来ない世界を持っている。
ある意味では毅然とした、ある意味では唯我独尊、やさしくいえばわがまま勝手の極み。

そんなイメージで猫を飼おうとしたら大間違いであった。
４.５０年前の幻想と言うことらしい。

現在の猫ちゃんの置かれている状況は、より過酷で、過保護。

この猫ちゃんを拾った人が、猫の里親(飼い主をそう呼ぶらしい)探しのボランティア団体に届けた。

捨て猫がいます。
誰か飼ってやってくれませんか？
は～い。うちで飼ってもいいですよ。
かわいがりますよ。
あ～よかった。じゃ、よろしく。

なんてふうにはならないのだ。

飼おうとする人の年齢制限がある。
年寄りではダメなのだ。
完全室内飼育の実行を確約させられる。
都会で放し飼いされる猫には交通事故が待っているとおっしゃる。
年寄りにその管理が出来ますか？って、詰問される。

ああ、猫ちゃんにとっても不幸。
飼おうとする人間にとっても不幸。

人間はどんな社会を創ってしまったのだ、、、、。


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