カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

池澤夏樹 『花を運ぶ妹』 文芸春秋

2017-09-01 08:58:26 | 本日のしりきれとんぼ
池澤夏樹さんの小説というので張り切って読んだのだが、肩透かしを喰らった感じがするのは徳さんの読む態度に問題があるのだろうか?
数多くの書評や、世界文学全集、日本文学全集の池澤流編集や、沖縄・原発への発言など池澤さんには畏敬の念を抱いているのだが、、、、。
もちろん、文章は上手く、物事の説明も噛んで砕くように分かり易い。
でも、何で他のテーマを差し置いてこの小説なのか?

麻薬(ヘロイン)の魅力とその魔力、禁断症状のすざましさ。はよく分かった。
バリ島の魅力はよく分かった。ある一人の画家の内面、絵への態度はよく分かった。
でも、それだけの気がする。

以下の引用は、主人公の片割れの画家がヘロインを進められるくだり。
ちょっと、高尚なヘロインへの誘いである。

   ***
その時になってわかったの、アンコールワットで私が見たものは時間のフィルターをくぐった人造物だったと。人が造ってすぐにはその建造物には十年単位の時間しか含まれていない。しかし、それから時間がたつうちに、建物には千年単位の時間がゆっくり浸透して、まるで別のものに変わる。私が見たのはその姿だった。建築というのはそれだけ長い時間を内に蓄えられるものであるはず。山や海に拮抗できるものであるはず。うつろいやすいものを捨てて、そぎおとして、揺るぎないものだけを残す。時間にまかせれば勝手に実行してくれる。アンコールワットの魅力はあの回廊の神話の彫像群だわ。
   ***

徳さんも対抗してみよう。
古さでは到底及ばないけれど、新座市にある平林寺の片隅に捨て置かれていた、昔の水車の木製の歯車。




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