カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

イノセント・ゲリラの祝祭

2009-08-11 18:42:46 | 本日の抜粋

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「医療業務機能評価機構は厚生労働省の特上の天下り先。官僚にとって評価が高いのは。やることがなく、他に指導ができ、私設が立派で給料がめちゃくちゃいい業務。この機構は病院のホスピタリティ、つまり居心地をよくするためロビーに音楽を流せとか、患者が迷ったら道案内できるよう受付嬢を配置しろとか、医療とかけ離れたどうでもいいことを重点的にごちゃごちゃしんさしてお墨付きを与えるそしきなのさ」

「官僚には不動点や特異点は存在してはならない。特異点は取り替えが利きません。官僚の大いなる美点は、いつでもどこでも誰とでも相互互換ができること。システム運営する誰かが、取り替えの利かない存在に成り果てたら、その人と共にシステムが滅びる。だから我ら官僚は、顔のない、誰もが同じ造作の、無限増殖を繰り返す存在に徹しなければならないのです」

海堂 尊 『イノセント・ゲリラの祝祭』より 宝島社

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医療問題への問いかけを内に秘めた海堂尊の何弾目かの小説である。

そこで何人かの官僚を登場させ、官僚学を展開させている。
この本丸ごと一冊は官僚批判の書である。

衆院選を前にして、官僚の天下り批判は各党ともしているが、その官僚組織の実像はなかなか伝わってこない。

なぜ官僚供は事あるごとに責任を免れるか?
なぜ官僚供は現実にそぐわない施策に平然としていられるのか?

医療分野のうち、ごく限られた医療事故に対する取り組みからだけ見えるものでも、官僚組織の実像が伝わってくる。たとえそれがフィクションでも。

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