夫はいつものようにテレビを観ていた。
「こんにちは、体調はどうですか?」
「うん」 軽くうなずいてくれた。
暫くして聞いてみた。
「今日は何日でしょう」
「3月7日」と答えた。
「え~3月7日は私の誕生日よね~」
「今日は10月20日でした、何の日でしょう?」
どうやら思い出せないようです。
「結婚記念日ですよ~」
夫は悲しい顔をしてしまった。私は少し後悔をした。
私の誕生日と結婚記念日だけは忘れる事のない人でした。
ここ数年、思い出せないようです。
施設に入所すると刺激のない生活に、記憶力が低下してどんどん悪い方に進んでしまうのです。
覚悟は出来ているものの行き場のない悲しみが私を襲うのです。
54回目の10月20日、今年も会話の続かない二人が黙ってテレビを観ていて、眠そうな気配にそっと部屋を抜けて来るのです。
家には次男がいるので、気持ちを切り替えて家に入ります。
施設の庭の山茶花が一つだけ咲いていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/38/d17a4cd48aa384612d3bf6f081990e75.jpg)
マユミ(別名ヤマニシキギ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/8e/14a45b705d58648f9d4508f24a02313d.jpg)
「こんにちは、体調はどうですか?」
「うん」 軽くうなずいてくれた。
暫くして聞いてみた。
「今日は何日でしょう」
「3月7日」と答えた。
「え~3月7日は私の誕生日よね~」
「今日は10月20日でした、何の日でしょう?」
どうやら思い出せないようです。
「結婚記念日ですよ~」
夫は悲しい顔をしてしまった。私は少し後悔をした。
私の誕生日と結婚記念日だけは忘れる事のない人でした。
ここ数年、思い出せないようです。
施設に入所すると刺激のない生活に、記憶力が低下してどんどん悪い方に進んでしまうのです。
覚悟は出来ているものの行き場のない悲しみが私を襲うのです。
54回目の10月20日、今年も会話の続かない二人が黙ってテレビを観ていて、眠そうな気配にそっと部屋を抜けて来るのです。
家には次男がいるので、気持ちを切り替えて家に入ります。
施設の庭の山茶花が一つだけ咲いていた。
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マユミ(別名ヤマニシキギ)
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