岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「車到山前必有路」は力となる。

2009-06-06 07:33:43 | 戦争を語り継ぐ

「車到山前必有路」は、NHKドラマ「遥かな絆」の主題でした。
行き詰っても必ず打開の道がある、という意味だそうです。
返り点がなくとも素直に理解できます。

原作者の城戸久枝さんが、父親から受け継いだ言葉です。

文章好きの少女が、「父を書く」ことを意識してから10年かけて成し遂げた
作品が「遥かな絆」でした。

「遥かな絆」は、久枝さんの「遥かな旅」でもありました。
しかし、久枝さんが日本で生まれ育ち、文筆家を目指す頃については私は知る由もありません。

6月6日付の毎日新聞の「学校と私」欄に久枝さんの取材記事が掲載されていました。興味深く読みました。
彼女自身の文筆家へのはるかな旅が書かれていました。
もちろん、文筆家への道は並大抵ではありません。
その苦労とともに、中国残留孤児の子どもという生まれが、彼女を内省的な、文章を愛する少女に育てたようです。

「高校時代は新聞記者が夢で、新聞部でスポーツを取材したこともあります。
作ったものを先生にほめてもらえたことが自信につながりました」。

長所を伸ばすにはほめることが一番、というのも真理です。

父親が中国生まれというのも少女時代には負担であり、「父が電話をかける時には
窓を閉めたこともある」そうです。

その父の生涯を書くために10年を費やすことができたこと。
久枝さんにとって「父を書く」こと自体、自身の精神的成長の糧になったことでしょう。
久枝さんが、父の生涯に正面から向かい合う行為を継続できた背景のひとつが
「車到山前必有路」です。

ひとつの言葉の力を感じます。

※写真は岡山城と後楽園。

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2 コメント

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山は人それぞれなれど・・・ (どりーむ)
2009-06-06 23:45:45
>「車到山前必有路」は、NHKドラマ「遥かな絆」の主題でした。
行き詰っても必ず打開の道がある、という意味だそうです。

う・・・今の私にとって、なんという励ましの言葉でしょう。


続きは、ブログに書かせていただきます。
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貴ブログ読ませていただきました。 (岩清水)
2009-06-07 12:31:38
すごいテーマに挑戦されていますね。
ケアマネ業務をするものにとって切実な問題です。
多くの時間を費やして、効果のない支援計画を作成しているのではないか。
常に思っています。
ただ、私は支援計画に多くの時間を費やすこともできていませんから、問題以前かもしれません。
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