岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『まんが哲学入門ー生きるって何だろう? 』 森岡正博+寺田にゃんこふ著 読みました。

2013-07-24 13:41:57 | 
著者の森岡正博さんは、哲学者です。
私にとって大変気になる人で、わからないなりに著書を読んでいます。
草食系男子という用語の生みの親でもあります。

社会的活動では、子どもの脳死移植に反対する発言を国会でされました。
しかしながら、子どもの脳死移植は可能となりました。
法律が成立してから3年たちます。
その間に子どもの脳死移植はたったの2例です。
法律はできましたが、治療の場で役に立っているとは言えない数字です。

森岡さんの発言を思い出します。

「なくなった子どもの身体は、丸ごと返してあげましょう」

何処に?
とは問わないでください。
それこそ、哲学的な問いですから。


さて、『まんが哲学入門ー生きるって何だろう? 』です。
哲学の本は間違いなく難解です。
なぜって、日常生活の中ではふつう考えないことを考えるからです。
難解だから、まんがにする。
そのようなマンガで書いていた哲学入門書はいろいろあります。
大概は過去の哲学者自身が会話したり独白するマンガです。

この『まんが哲学入門』はまったく異なります。
何が違うか。

哲学者である森岡さん自らまんがを描いているのです。
共著の寺田にゃんこふさんは、プロフェショナルとして作画をされています。
繰り返しますが、哲学者がまんがを描いているのです。

もしかすればまんがで描くことが文字を書くより哲学を知ることにつながることがあるのではないか。
森岡さんはそう思いコツコツとまんがを描いてきました。

これだけでも十分読む価値があります。

内容は、
第1章 時間論
第2章 存在論
第3章 「私」とは
第4章 生命論

読書案内

30ページに及ぶ、文字での読書案内がついています。
こちらもお薦めです。
私も頭すっきりしました。

特薦本です。


まんが 哲学入門――生きるって何だろう? (講談社現代新書)
クリエーター情報なし
講談社


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