岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「イギリス:最善を願いつつ、最悪の状態に備える」 山中伸弥教授のHPより

2020-08-10 15:58:36 | 新型感染症

イギリス:最善を願いつつ、最悪の状態に備える
以下、イギリス駐在中の信頼できる知人からの情報です。

7月 14日、バランス顧問からの諮問に対して、英国医学院(アカデミー)が「Preparing for a challenging winter 2020/21」とする報告書を発表。
https://acmedsci.ac.uk/file-download/51353957
7・8 月は冬の「考えうる最悪のシナリオ」に向けて準備する期間とし、今冬のパンデミックの展開に関するシミュレーションを公表した。

依然としてかなりの不確実性があると前置きした上で、この冬に第2波が来た場合で、ワクチンや治療薬がなく、ロックダウンも限定的に実施された場合を仮定すると、死者数は 119,900 人 (95%CrI: 24,500 人 - 251,000 人)と推計され、1-2 月にピークに達すると予想。

この報告書に関するBBCの記事
https://www.bbc.com/news/health-53392148
この報告書 の議長を務めたサウサンプトン NHS トラスト大学病院の呼吸器専門医であるスティーブンホルゲート教授は、 次のように述べている。
「これは予測ではなく、可能性である。」
「この モデリング によると 、この冬に訪れる Covid 19 の新しい波による死亡者数は、第一波より 高くなる可能性がある。」
「しかし、私たちがすぐに行動を起こせば、このような事態のリスクは軽減されえる。」

コロナウイルスの症例数が比較的少ない 現状は、「冬に私たちを襲う可能性のある最悪の事態に備えるための 貴重な機会だ」と付け加えた。
数千人の死者数にとど まる、より 悲観的ではないシナリオも考えられる。
報告書は、予測された死亡者数は 不確実性が 高いことを明らかにしている。
何が起こるかを予測したものではなく、何が起こり得るかを予測したものだということだ。

研究者はありそうなシナリオをモデル化できるが、シミュレーションは、現実に起きるとは限らない仮定に依存している。
パラメータを少し変更するだけでだけで、非常に異なる予測となる。
しかしながら、全体的なメッセージは明確である。最善を願いつつ、最悪の状態に備えるということだ。
現在、英国におけるコロナウイルスによる死亡や症例は減少しており、第二波に向けて考え計画する機会が与えられている。
封鎖から脱出するに当たり感染率を低く保つことが、病気を制御する上で重要である。

ウイルスは消えていない。そして、我々はまだワクチンを持ち合わせていない。
しかし、症状を発現した場合には、自己隔離や、検査を受けることなど、私たち全員ができることもある。

共同執筆者であるDame Anne Johnson教授は、次のように述べている。
「厳しい1年を経て、さらこういった潜在的な困難に直面し、絶望や無力感を感じるのはたやすい。」
「しかし、この報告書は、物事をより良くするために、今行動できることがあることを示している。」
報告書が勧めているのは、以下のようなことである。
コロナウイルス、インフルエンザ、その他の冬の感染症の同時並行的な発現に対処するため、検査・追跡プログラム能力を向上させること
より多くの人々がインフルエンザの予防接種を受けること
病院や介護施設に十分な個人用保護具(PPEPPE)を確保すること
感染を止めるために、病院や介護施設にコロナウイルスのないゾーンを作ること

転載終わります。

下線は岩清水です。

この4点は重要ですね。



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