岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

朝青龍と琴欧州

2005-11-28 15:59:40 | 世界のなかま
今年最後の本場所だった九州場所を振りかえってみよう。
この記事を書くときは筆ならずキーボードが軽い。

当然、朝青龍と琴欧州に尽きるといってよいだろう。
朝青龍14勝1敗。琴欧州11勝四敗。
朝青龍の7連覇、年間84勝は歴代1位に輝く。
他の大横綱に比べて、ライバルがいないといわれるが、千代の富士しかり。
1人横綱であること自体大変なことである。大きな怪我もなく土俵を
務め続けることが大変なことなのだ。

もちろん、歴史に残る大横綱にすでになったわけだし、将来は理事長
だってありえる。
それでいて今だ25歳という。本当にこれからの力士である。

大相撲の土俵は砂場とは違う。驚くほど固い。そして俵も固い。
土俵下に落ちると打撲や擦り傷は当たり前だ。
琴欧州と白鵬戦のように、両者が譲らず、土俵下に落ちるとなると、
強靭な体を造っていなければたちまち病院行きになる。

その固い土俵に、取り組み中、朝青龍はぼこぼこと穴を開けてしまう。
足の指が土俵の砂を噛んでいるのである。土俵に根を張るとはことのだ。

外国人力士は間違いなく大相撲のレベルを上げている。
日本人力士が歯が立たなくなったのは、日本人力士のレベルが低く
なったのではなく、トップのレベルがあがったからだ。

例えて見れば、日本のプロ野球に大リーグの看板選手が続々と出場する
ようになったに等しい。
我々は、大相撲で大リーガーを見ているようなものなのだ。
さて、その大リーガーの一番手が朝青龍であることは当然だが、
二番手、三番手も凄い。

二番手はもちろん今をときめく琴欧州だが、いざという時の緊張ぶりを
指摘されたが、入門後19場所目の若者にいうことばとは思えない。
今場所の初日に黒星をきした彼を「この負け方は尾を引く」と相撲界の
先輩たちはこぞっていったが、その予想は大きく外れた。

大関昇進を賭けて、朝青龍と闘った大一番を見て、北の湖理事長は
「組んだら琴欧州の方が強いということだ」と言い切った。

今場所の琴欧州は、高さに加えて横幅も出てきたと感じなかった
だろうか。
握力100kg超という腕力に身長体重が図抜けながら腰が低い
このブルガリア人が横綱になるためには、二場所連続優勝が条件と
すれば、これからの朝青龍戦はとんでもなく面白くなる。
欧州ジュニアレスリング王者が日本で大相撲の王者になる日が楽しみだ。

そして、3番手の白鵬も怪我に泣いたが、琴欧州戦の気迫があれば
追撃も可能だ。1年前には白鵬のほうが注目されていたのだ。

さて、大相撲は明らかに進化しつづけている。
われわれは大リーガーレベルの相撲を見ることができるようになってきた
にもかかわらず、テレビ画面の棧敷には空席が目立つ。
大相撲ファンは、大相撲のレベルを見てほしい。
そして世界のスポーツファンを興奮させるレベルになりつつある大相撲に
誇りを持ってほしい。
2006年の大相撲は今年以上に面白くなることは間違いない。

関連記事:2004年11月26日号
写真は、朝青龍・琴欧州戦後に乱舞する座布団

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1 コメント

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TBさせて頂きました (Dr.アート)
2005-12-01 19:09:10
関連記事をTBさせて頂きました。よろしくお願いします。
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