岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「自己責任論の呪縛」から逃れられない世代。

2010-01-21 21:58:19 | 社会福祉士
今夜のNHKクローズアップ現代で、「助けてといえない30代」が
昨秋に続いてクローズアップされた。
他の世代には、理解しにくい30代の危機が映し出されていた。

前回にも登場した入江さん(仮名32歳)を探して、その後を取材している。
入江さんは、7万9千円の生活保護を受給し、ネットカフェに寝泊まりできるようになったが、
この宿代と食事で生活費はなくなってしまう。

派遣切りの仕打ちにあった入江さんは2度と同じ目に会いたくないと正社員を目指すが
住所がなく実現できていなかった。
街を歩く姿は何不自由のない青年としか見えない。
ホームレスであることを自分自身が許すことができないため、身なりをきちんと整えておられたのだ。

その入江さんを画面でみた奥田知志氏(ホームレス支援をされている牧師)が
NHKに、彼にあわせてほしいと申し込む。
そして、入江氏と話し合う時間が実現した。

奥田さんは、彼に「頑張るのはいいが、一人で頑張るな」。
「あなたはひとりではない」と伝えた。
そして、メッセージとともに自身の住所を書いたメモを手渡した。

奥田さんは「自己責任論は、人を助けない理屈」であり、その被害者が30代の方々だと話されていました。

就職氷河期とは、「企業を政治が助け若者を切り捨てた時代」の別名だ。
それは、切り捨てた人間自身の心の氷河期でもあったのだ。

※写真は、友ヶ島4島にひとつ、沖の島。この島にのみ船着き場がある。
断崖絶壁に囲まれた島にある数少ない入り江に船が向かう。


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