岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

井久保伊登子さんの本を読んでいます。

2018-10-12 09:58:57 | 永瀬清子

井久保伊登子さんは、『女性史の中の永瀬清子』という評伝を書かれています。

ご存知のように永瀬清子さんは戦前、戦中、戦後に活動した詩人です。

上下2巻計1000ページの本です。

ひとりの人生を書くには1000ページの分量は必要なのでしょう。

特に、89年間という長い人生の上に活動の幅広さを持つ人には。

10年前に「戦後編」が出版されています。

古本を手に入れました。

井久保伊登子さんは医師であり、詩人であり、随筆家です。妻で母です。

この方も多忙な日々を過ごされておられるのでしょう。

手元にある著書は、

『近代岡山の女たち』共著 1987年

『水かがみ』1991年

『カルテに書かなかったこと』1993年

『残りの秋ー老人病院の周辺から』1995年

『栗の木ー病院のうちそとで』2007年

『落葉木』2010年 詩集

と先に触れた『女性史の中の永瀬清子』 戦前・戦中編2007年、戦後編2009年の2巻です。

『女性史の中の永瀬清子』以外は、集中して読んでいるわけではありませんが、

文章が素晴らしく、大切に読み進んでいます。

井久保伊登子さんは兵庫県の赤穂市の「老人病院」※で勤務医として過ごされて間に

患者や看護師など身近な人々を愛情を込めて書いています。

今なら個人情報に関することであり書くことが困難です。

その意味でも貴重です。

そして、1980~90年代の「老人病院」についての記述であり、歴史的にも興味深い内容です。

詩集は購入しただけでまだ読めていません。

楽しみです。

※長期入院が必要な老人を収容する「療養病棟」のある病院。介護保険制度の導入により、平成15年(2003)までに老人病院は廃止され、その役割療養型病院に引きつがれている。デジタル大辞泉

 


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